1981年の近鉄バファローズ

1981年の近鉄バファローズの動向

1981年、近鉄バファローズは監督の西本幸雄にとって8年目のシーズンであり、この年のチームは多くの逆境に直面しました。前年までリーグ連覇を成し遂げた強豪チームが、主力選手を失ったことで大きな打撃を受けることになります。

主力選手の退団

シーズン前のオフ、リーグ優勝の立役者であるチャーリー・マニエルが契約の見直しを巡って球団と対立し、チームを去ることになりました。この退団は近鉄バファローズにとって痛手であり、打線の中心を失った影響は計り知れません。チームは開幕から調子を上げることができず、4月下旬には連敗を重ね最下位に沈むという厳しい状況に陥りました。

シーズンの流れ

5月には5連勝して借金を1にまで減らしましたが、直後の連敗によって再び暗雲が立ち込めます。5連敗、さらに続く6連敗によって、前期終了時には南海ホークスに5ゲーム差を付けられた最下位の位置にいました。後期に入ってもチーム状況は向上せず、特に8月には8連敗を喫するなど苦悩が続きました。しかし、9月に入ると少し持ち直し、連勝を飾ったものの、最終的には1973年以来となる最下位という結果に終わりました。

西本監督の勇退

この厳しい成績を受けて、西本監督はシーズン終了後に勇退を表明しました。彼の指導の下で数々の成功を収めた一方で、特にこのシーズンの成績は彼にとっても無念だったでしょう。チームは転換期を迎え、どのように再建を図るかが問われることとなります。

打撃成績の低迷

マニエルの退団により、近鉄バファローズの打撃成績は前年のリーグ1位から激落し、最終的にはリーグ最下位に転落しました。本塁打数も3年連続でリーグトップを誇った149本から大幅に減少し、その穴を埋めることができませんでした。ヤクルトから入団したビクター・ハリスは22本塁打を記録しましたが、前年のマニエルの48本には及びませんでした。また、アイク・ハンプトンも15本塁打を放ったものの、チーム全体の打撃力の低下は明らかでした。打率においても、トップの小川亨が.295という成績を残したものの、3割打者不在に悩む状況でした。

投手陣のパフォーマンス

投手陣は前年よりも防御率が改善されたものの、二桁勝利を挙げたのは10勝の柳田豊ただ一人でした。両エースとして期待されていた鈴木啓示と井本隆がそれぞれ5勝で終わるという、非常に厳しい結果でした。投手陣は信頼性を欠き、試合を支えることができませんでした。

最後の試合と胴上げ

最終戦となった10月4日、ダブルヘッダーの後、西本監督は自身の教え子たちに胴上げされる形でユニフォームを脱ぎました。彼のこれまでの功績と悲運を抱えた名将は、長年の指導のすべてを静かに閉じました。

このように1981年の近鉄バファローズは、チームの基盤を崩しながらも新たな未来を模索するシーズンとなりました。次なるシーズンに期待を寄せつつ、この年の教訓は不可欠なものでした。

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