1982年の全日本F3選手権

1982年 全日本F3選手権

1982年の全日本F3選手権は、鈴鹿サーキットでの開幕戦を経て、同じく鈴鹿での閉幕戦まで全9戦が行われました。このシーズンの栄誉あるタイトルは、中本憲吾（ラルト・トヨタ）が獲得しました。

シーズン概要

前年に熾烈なチャンピオン争いを演じた中子修と萩原光は、JAFの運営によるフォーミュラ・パシフィックにステップアップしました。これにより、1982年のF3選手権では新たな顔ぶれが注目されました。開幕戦の悪天候にもかかわらず、中本憲吾が優勝し、その後も彼の強さを見せつけました。

第2戦筑波では茂木和男が勝利を収め、早くもこの二人がシリーズを引っ張る立場となりました。さらに、FJ1300で活躍していた高橋徹がF3ルーキーとして台頭し、筑波で初めて表彰台に立ちました。第3戦の西日本大会でも彼は優勝し、注目を集めます。

高橋と同じくハヤシカーズから参戦した鈴木亜久里も需要な存在であり、勝利こそありませんでしたが、入賞を重ねてポイント争いに加わりました。そのため、チャンピオン争いはシーズン終盤まで続き、厳しい戦いが繰り広げられました。

中本憲吾の強さ

開幕からポールポジションを5回獲得した中本でしたが、レースではリタイヤが3回あり、ポイントを稼げない時期もありました。しかし、第6戦以降は安定した成績を残し、4戦中3勝、さらに1回は2位でフィニッシュを果たし、他の選手を引き離していきました。結果的に中本がシリーズチャンピオンの座に輝くこととなりました。

ルーキーの高橋は、ハヤシ製シャシーに乗り、デビューイヤーにしては素晴らしい速さを見せましたが、第7戦鈴鹿でのリタイヤが響き、ランキング3位に終わりました。その他にも、鈴木亜久里が4位、小河等が6位にランキングし、ハヤシ製マシンも高い性能を示すシーズンとなりました。

課題と今後の展望

しかし、この年には一つの問題が浮上しました。グラウンド・エフェクト・カー（ウィングカー）の導入が進んだことで、参戦コストが上昇し、新しいマシンを購入しなければならない状況が多くのチームに影響を与えました。その結果、F3シリーズは初めて参加台数が減少する事態に直面しました。1983年にはさらに減少が進むことが予想され、この問題への対応が求められました。

エントリーリスト・スケジュール

シリーズの詳細なエントリーリストやスケジュール、各レースの勝者に関する情報は、公式サイトや関連資料を通じて確認できます。これにより、ドライバーやチームの活躍を一層身近に感じられるでしょう。

まとめ

1982年の全日本F3選手権は、中本憲吾の優勝によって印象深いシーズンとなり、同時に多くの若手選手が台頭する場ともなりました。しかし、コスト上昇の影響を受け、今後の運営が課題となるシーズンでもありました。

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