1985年のロッテオリオンズ

1985年のロッテオリオンズの動向

1985年のロッテオリオンズは、稲尾和久監督にとって2年目のシーズンであり、チームにとっても特別な年となりました。この年、特に注目されたのは復帰した村田兆治の存在でした。彼は前年のシーズン終盤にトミー・ジョン手術から1軍に戻り、開幕から圧巻の11連勝を達成しました。最終的には17勝5敗、防御率4.30という素晴らしい成績を収め、その活躍から「サンデー兆治」と呼ばれ、多くのファンに親しまれました。

投手陣の奮闘

村田に加えて、先発投手陣も安定したパフォーマンスを見せました。台湾から獲得した荘勝雄は11勝10敗4セーブ、防御率4.15を記録し、仁科時成は12勝13敗、防御率4.32という成績を残しました。水谷則博も9勝5敗、防御率4.28と、先発ローテーションの一翼を担いました。この結果、チーム全体で堅実な投手力を発揮し、試合を支える基盤を築くことができました。

打撃陣の活躍

打撃面では、落合博満が素晴らしい成績を残しました。彼は打率.367、52本塁打、146打点という驚異的な数字をマークし、首位打者、本塁打王、打点王の三冠を達成しました。この功績により、彼はMVPにも選ばれ、チームにおける重要な存在であることを証明しました。さらに、レロン・リーも打率.328、28本塁打、94打点と安定した成績を記録しました。

また、「ミスターロッテ」として知られる有藤通世は、7月11日の阪急戦でプロ入り17年目にして2000本安打を達成し、チーム史に名を刻んだ瞬間でした。新戦力としてドラフト4位の横田真之も期待以上の活躍を見せ、打率.300、9本塁打、51打点を記録し、ベストナインに選ばれるなど、若手選手の台頭も光りました。

中盤以降の課題

シーズンを通して見ると、ロッテは勝率5割前後で苦しい時期もあり、なかなか上位チームとのゲーム差を縮小することができませんでした。特に広岡達朗監督の西武ライオンズが独走し、優勝を決めたのは早い時期の10月9日でした。ロッテも10月2日から13日までの期間に10連勝を達成し、順位は2位に浮上しましたが、首位からは15ゲーム差が開いていました。

シーズンの総括

このシーズンまでのパシフィック・リーグでは、変則的なプレーオフ制度が採用されており、1位とのゲーム差が5以下であれば逆転の可能性がありましたが、ロッテはその条件を満たすことができず、貯金4でシーズンを終えました。このように1985年のロッテオリオンズは、投打にわたる選手たちの活躍がありつつも、勝率浮上に一歩及ばなかった印象が強いシーズンでした。そして、選手たちの個々の成績は今後への期待を寄せるものであり、1986年のシーズンへの布石となることでしょう。

もう一度検索