1985年オランダグランプリ

1985年オランダグランプリ：伝説に残るラウダのラストウィン

1985年8月25日、オランダのザントフォールト・サーキット。1985年のF1世界選手権第11戦、オランダグランプリが開催されました。このレースは、F1の歴史に名を残す、数々のドラマが凝縮された一戦となりました。そして、このレースをもって、オランダGPは36年間も開催中断されることとなります。次の開催は2021年まで待つことになります。

チーム状況と予選

この年、ティレルチームは両車にルノーエンジンを搭載していました。ドライバーは、ステファン・ベロフとマーティン・ブランドル。予選では、ブラバムのネルソン・ピケが、このシーズン唯一となるポールポジションを獲得しました。

決勝レース：ラウダとプロストの死闘

決勝レースは、予想外の展開から始まりました。ポールポジションからスタートしたピケがストールするというアクシデントに見舞われたのです。幸いにも大きな事故には繋がりませんでしたが、レース序盤は混戦模様となりました。

この混乱を巧みに切り抜けたのは、ニキ・ラウダでした。スタート直後5位につけたラウダは、テオ・ファビやアイルトン・セナを次々と抜き去り、3位に浮上します。レースをリードしていたケケ・ロズベルグがエンジントラブルでリタイアすると、トップ争いはアラン・プロストとラウダの構図に。しかし、プロストがタイヤ交換で時間をロスした隙を突いて、ラウダはレース中盤にトップに立ちます。

終盤、タイヤ交換によるタイムロスを取り戻したプロストがラウダに迫り、最後の10周は両者のテールトゥノーズの激しいバトルが繰り広げられました。息を呑む展開の中、ラウダはプロストを0.2秒差で振り切り、見事優勝を掴み取りました。

この勝利は、ラウダにとって通算25勝目。そして、彼の現役生活における最後の勝利であり、最後の入賞でもありました。まさに、伝説に残るフィナーレと言えるでしょう。

そして、ランキングへ影響

4位でフィニッシュしたミケーレ・アルボレート。この結果により、シーズン序盤からポイントランキングトップを走っていたアルボレートを、プロストが逆転し、開幕戦以来となる単独首位に立ちました。

まとめ：忘れられないオランダGP

1985年のオランダグランプリは、ピケの予選ポールポジション、ラウダとプロストによる手に汗握るバトル、そしてラウダの現役最後の勝利と、数々のドラマが詰まった、F1史上に残る名レースでした。36年もの間、開催されなかったオランダGPですが、このレースが持つ歴史的意義は、今もなお多くのファンに語り継がれています。ラウダの最後の輝き、そしてオランダGPの復活劇は、F1ファンにとって永遠の記憶として残るでしょう。

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