1985年夏季ユニバーシアード

1985年夏季ユニバーシアード（神戸）

1985年8月24日から9月4日にかけて、日本の神戸市で第13回夏季ユニバーシアードが開催されました。この大会は、106カ国から4,400人もの選手と役員が集い、10競技120種目で熱戦が繰り広げられました。

大会の概要

大会のテーマは「友好と平和」。神戸総合運動公園陸上競技場がメイン会場となり、古橋廣之進氏が大会事務総長を務めました。開会式には皇太子明仁親王・同妃美智子夫妻が臨席されました。日本からは、選手団長 帖佐寛章率いる291名という、大会史上最大の選手団が参加しました。また、神戸市および近郊からは42,000人もの市民がボランティアとして参加し、大会運営を支えました。この大会は、日本におけるスポーツ国際大会運営のモデルケースとして評価されています。

テレビ中継はNHKとサンテレビジョンが行い、サンテレビの中継は独立U局11局にネットされました。

招致と開催決定

神戸市は1981年1月頃からユニバーシアード招致計画を日本ユニバーシアード委員会などに打診し、ポートピア'81博覧会終了後の同年10月に正式に立候補を表明。11月のFISU総会において、リオデジャネイロ、インディアナポリス、ザグレブといった都市を抑え、見事開催を勝ち取りました。ポートアイランドなどの都市開発や、当時地方自治体としては珍しかった欧州でのマルク債、スイスフラン債などの神戸市債の発行実績と知名度が、招致成功に大きく貢献したと言われています。

また、1985年ユニバーシアード神戸大会の開催決定後、日本サッカー協会理事であり日本オリンピック委員会常任理事でもあった岡野俊一郎氏が、大学サッカーの重要性に着目。友人のホルスト・ダスラー氏（アディダス創始者アドルフ・ダスラーの息子）に、サッカーを正式競技とするための協力を依頼しました。ダスラー氏は、ニューヨークにいた国際大学スポーツ連盟(FISU)会長のプリモ・ネビオロ氏に電話で働きかけ、ネビオロ会長はFISU実行委員会の反対を押し切って規約を改正。こうして、ユニバーシアード神戸大会からサッカーが正式競技として採用されることになりました。以降、サッカーはユニバーシアードの正式競技として定着しています。

競技会場

開閉会式：神戸総合運動公園陸上競技場
陸上競技：神戸総合運動公園陸上競技場
バスケットボール：神戸市立中央体育館など
フェンシング：神戸国際展示場
体操競技：ワールド記念ホール
競泳：神戸アイランドプール
飛込競技：神戸アイランドプール
水球：神戸王子プール、神戸アイランドプール
テニス：神戸総合運動公園テニスガーデン
バレーボール：ワールド記念ホールなど
サッカー：神戸中央球技場、神戸市王子陸上競技場
柔道：兵庫県立文化体育館

大会のハイライト

陸上競技では、走高跳でソ連のイゴール・パクリン選手が2m41の世界新記録を樹立しました。また、男女混合で実施されたマラソンでは、女子の深尾真美選手が地元優勝を果たし、話題となりました。

大会マスコットとイメージソング

マスコットは、手塚治虫氏がデザインしたタンチョウヅルの「ユニタン」でした。イメージソングは早見優さんの「ビューティフル ライバル」で、大会を盛り上げました。

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