1986年度新人選手選択会議 (日本プロ野球)

1986年度新人選手選択会議の概要

1986年度新人選手選択会議は、1986年11月20日に東京のホテルグランドパレスで行われた第22回プロ野球ドラフト大会でありました。この年のドラフトでは、67選手の交渉権が割り当てられ、選手獲得のための熾烈な競争が繰り広げられました。

環境と背景

この年は特にオリンピックの野球日本代表選考が影響を与え、多くの有力選手が指名を凍結されました。そのため、多くの球団からは「不作」と称されるほどの人材難が予想されていました。しかし、この状況が後々のドラフトに影響を及ぼすことになるとは当時はほとんど知られていませんでした。実際、凍結された選手たちの多くは1989年のドラフトに流れることとなり、1989年は評価が一変し、豊作と呼ばれることになります。

ドラフトの進行

抽選に外れた球団は選手を指名するために、奇数指名順位にはウエーバー方式、偶数指名順位には折り返しウエーバー方式を採用しました。この年のウエーバー順位は、以下の順番で設定されました：

• - ヤクルト
• - 南海
• - 中日
• - 日本ハム
• - 大洋
• - ロッテ
• - 阪神
• - 阪急
• - 巨人
• - 近鉄
• - 広島
• - 西武

各球団のスカウト担当者の中には、特に「1位指名で質の高い選手を確保できるかどうかが全てを決める」と発言していた者もいました。この競争の中で、入団した選手たちの中でも著名な選手が登場しました。

注目選手と影響

この年、ドラフトを経てプロ入りした選手たちの中には、阿波野秀幸と西崎幸広が特に際立っています。彼らは1987年のパ・リーグの新人王争いにおいて互いに競い合い、その後も長い間プロ野球界で活躍しました。さらに、1988年には森山良二も新人王の栄冠を手にし、ドラフトで指名された選手が、その後の数年間で球界にどれほどの影響を与えたかを示しています。

他にも、山崎武司、中嶋聡、木田優夫、緒方孝市、飯田哲也、八木裕、藤井康雄、友利結（デニー友利）といった選手たちがプロ野球の舞台で長いキャリアを築いていったことも特筆すべき点です。

特異な出来事

また、1986年のドラフトでは全12球団がドラフト1位指名に投手を選んだことが特に注目されました。このことはドラフト史上初めての出来事であり、投手を優先的に指名する傾向が流行していたことを示しています。

ドラフト1位に指名された阿波野秀幸は、近鉄に入団した後、巨人や横浜（当時の大洋）へと移籍することになります。彼が3球団すべてに所属することになったのも、ドラフト制度の歴史の中で初めてのことでした。

このように、1986年度新人選手選択会議は、ドラフト制度や選手育成の面において重要な転換点となった出来事であり、今後のプロ野球界に多大な影響を与えました。

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