1987年のル・マン24時間レース

1987年ル・マン24時間レース

1987年のル・マン24時間レースは、フランスのサルト・サーキットで行われた大会であり、55回目の開催を迎えました。レースは6月13日から14日にかけて実施され、注目のポスターにはジャガーが描かれていました。この年のモータースポーツ界は、特にヨーロッパでの経済的な不況の影響を受けつつあり、その影響はレースシーンにも及んでいました。

一方で、同じ年には日本のモータースポーツ界が急成長を遂げており、特にフォーミュラ1におけるホンダの活躍が顕著でした。日本人ドライバー中嶋悟の参戦や鈴鹿サーキットでの日本グランプリが注目され、日本自動車メーカーによるレース参戦への関心が高まりました。ル・マンにおいては、マツダ、トヨタ、ニッサンの3メーカーが参加し、互いに力を入れて競い合う状況が生まれました。

また、ポルシェの黄金時代も終焉を迎えつつある中、ジャガーはシーズン開幕以来4連勝を記録し、レース前には期待が高まりました。ジャガーは6,900ccのエンジンを搭載し、ル・マン・プラクティスでは上位のタイムをマーク。レースファンはイギリスから多く集まり、ジャガーが優勝候補とされました。

それに対抗すべく、日産とトヨタも各自の体制を強化。日産は1986年のル・マンでの完走を機に、さらなる上位入賞を目指し自社製エンジンの改良を図りましたが、実際の性能には厳しい現実が待っていました。トヨタはワークス体制を強化し、優れたドライバーと新型エンジンを投入し、期待を寄せられていました。

予選

この年の予選では、特にガソリンの質が問題視され、「露骨なターボ潰し」との懸念が広がりました。天候は雨に見舞われ、各車両は十分なタイムアタックができない状況が続きました。予選ではポルシェがフロントローを占めるも、ジャガーとの差は僅か3秒と残りの車両との接戦を演出しました。

日産はル・マンのトラブルに悩まされ、エンジントラブルから修理作業に追われることになります。トヨタは競争の中で上位に食い込むものの、全体的には苦しいスタートを切ります。

決勝

決勝に向けて期待も高まる中、スタート時の天候は悪化し、タフな状況が続きました。ジャガーが優勝候補視される中、他の車両も激しい戦闘を繰り広げました。ところがハプニングが続発し、特にトヨタは燃料切れにより早々と姿を消す結果となります。日産もトラブルに見舞われながらも意外な健闘を見せます。

最終的に、ポルシェの17号車が優勝を果たし、ジャガー陣営は絡むトラブルによって次々とリタイア。ポルシェが再び存在感を示しながら、日本車も202号車によってベスト10入りを果たすなど、新たな歴史を刻みました。

結果

完走車両は12台、ポルシェは7回連続の総合優勝を達成する中、雨の中での戦いは熾烈さを極めました。大会全体を通して、日本車の挑戦とその成績が注目され、非常に意義深いレースとなりました。

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