1987年の全日本F3000選手権

1987年 全日本F3000選手権

1987年の全日本F3000選手権は、3月7日から8日に鈴鹿サーキットで開幕し、同年の12月5日から6日にかけて同じく鈴鹿で幕を閉じる全9戦によるシリーズでした。本シリーズは、国内レーシングの注目を集め、当時の自動車レース界において重要な位置を占めていました。

シリーズの背景

当年、日本自動車連盟（JAF）は、従来のF2選手権を維持しつつF3000車両の参加を一定条件下で許可する意向がありました。しかし、実際にレースを運営する各主催者や参加ドライバーは、この方針に逆らいF3000へと移行する決断を下しました。こうして、1987年のF3000レースには正式な全日本選手権の称号は与えられず、主催者が定める独自のルールに基づいて初代チャンピオンが誕生することになったのです。

エントリーと競技の詳細

シリーズへの参加車両は多様で、タイヤメーカーもブリヂストン（B）、ダンロップ（D）、横浜ゴム（Y）といった名のある企業が名を連ねました。開幕戦から多くの期待が寄せられ、参加車両100台以上がエントリーし、全てが熱い競争を繰り広げました。

トピック

マーチは、全日本F2選手権の時代から長い間日本のトップフォーミュラで高いシェアを持っていましたが、1987年を迎えたことで状況は一変しました。新型車両であるマーチ87Bはリヤサスペンションの構造に課題を抱え、成績は振るわず、利用者は減少してしまいました。この状況を受けて、ローラは全日本F2選手権からF3000への移行を果たし、ノバ・エンジニアリングとの提携により新たな局面を迎えました。

開幕戦ではローラT87/50はわずか2台のエントリーでしたが、その後、マーチの不振に伴い多くのドライバーが乗り換えることとなり、最終戦では7台がグリッドに並ぶことになりました。

さらに、特筆すべきはヤマハ発動機とコスワースが共同開発した5バルブエンジンOX77の登場です。第6戦の菅生から使用され始め、その後の第7戦富士ではヤン・ラマースがこのエンジンを搭載した車両で初の優勝を達成しました。そして、鈴木亜久里が連続して第8戦と第9戦で勝利を挙げ、3連勝を果たしました。

結論

1987年の全日本F3000選手権は、日本のモータースポーツ史において大きな変革をもたらした年でした。新しいチャンピオンの誕生とともに、多くのレーシングチームやドライバーたちにとっても、新たな時代の幕開けを象徴する出来事が盛りだくさんでした。この年のレースは、今後の日本のモータースポーツに強い影響を与える重要なシリーズとなったのです。

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