ノバ・エンジニアリング

ノバ・エンジニアリング株式会社について

ノバ・エンジニアリング株式会社（英: NOVA ENGINIEERING CO.,LTD.）は、モータースポーツを主な事業とする自動車関連企業であり、静岡県小山町に本社を構えています。この会社は、レーシングカーの製作と関連業務を手掛けており、特に国内のモータースポーツにおいて一目置かれる実績を持っています。

会社の歴史

ノバ・エンジニアリングの起源は、1973年に設立されたコンストラクター「レーシング・クォータリー (RQ)」に遡ります。RQのメンバーであった山梨信輔と風戸裕は、風戸のマシンをメンテナンスする目的で新たにノバ・エンジニアリングを設立しました。会社名は、イラストレーターの池田BOWによって考案され、「新星」を意味する「nova」から名付けられました。

設立当初は、ホンダ・S800ベースの「コニリオ」や軽フォーミュラ「アウグスタ」といったマシンを製造していました。しかし、1979年には猪瀬良一が代表に就任し、会社の運営が大きく変わりました。この同時期に、創業メンバーが退社したため、レーシング・クォータリーからの継続性に疑問を持つ声もあり、これにより会社は「第1期」と「第2期」に分かれることとなりました。

モータースポーツにおける業績

ノバ・エンジニアリングは、全日本F2000選手権、全日本F2選手権、全日本F3000選手権、フォーミュラ・ニッポンといった多くの国内レースでの活躍が特に知られています。全日本F2000選手権とF2では、1976年から1978年にかけて3年連続チャンピオンを果たすなど、優れたパフォーマンスを見せました。これにより、同社の製作したマシンは多くの成功を収めました。

また、「第1期」のマシンは、デザイナー宮坂宏によって設計された車体と、西村拓也によるボディカウルで構成されていました。「第2期」では、ポルシェ956や962Cのメンテナンスを通じて、全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権でも知られる存在となりました。

1980年代前半までは自社開発のマシンも多く手掛けていましたが、近年では他社のマシンのメンテナンスやチューンアップ、レーシングチームの運営が主要な業務となっています。

新たな分野への挑戦

最近では、モータースポーツでの経験を生かし、カーボン・コンポジット技術を利用して、東京大学宇宙線研究所が中心となって建設した「カンガルー望遠鏡」のガンマ線球面鏡の開発にも関与しました。しかし、専門職人の退社により、これらの取り組みは現在形骸化している状況です。

日産・GT-Rとの関係

ノバ・エンジニアリングは、日産・GT-Rの開発に携わり、開発ドライバーとして鈴木利男と契約を結びました。この成果により、2011年には全国にわずか3か所のみの「GT-R特約サービス工場」に指定される栄誉を得ました。しかし、開発能力の低下が影響し、日産との契約は終了しました。また、2013年までは全日本F3選手権およびF3Nクラスに参戦する「NDDP RACING」の運営も担当していましたが、2014年よりB-MAX RACING TEAMに移行しました。

現在の活動

現在、ノバ・エンジニアリングは、アウディスポーツの日本代理店としてAudi R8 LMS Ultraを取り扱っています。これにより、国内のモータースポーツシーンにおいても重要な役割を果たし続けています。会社としての長い歴史を持ち、多くの著名なドライバーたちが在籍してきた点も、ノバ・エンジニアリングの魅力の一部です。

もう一度検索