1987年の映画

1987年の映画分野の動向

1987年は映画界にとって重要な出来事が多かった年です。この年はハリウッド誕生100周年を迎え、映画業界全体がその影響を受けました。特に、国際映画祭や賞の受賞情報が数多く話題となり、映画製作や配信の新たな試みも見受けられました。

世界の動向

2月1日にはハリウッドの誕生100周年が祝われ、映画の歴史を振り返るイベントが盛大に行われました。同月、ベルリン映画祭で熊井啓監督の『海と毒薬』が銀熊賞を受賞し、その評価を影響力のあるものに高めました。また、アメリカの著名俳優ダニー・ケイもこの月に亡くなり、多くの人に惜しまれました。

5月にはワーナー・ブラザース・インターナショナルがディズニーとタッチストーン映画の配給契約を結ぶなど、国際規模での映画配給を強化し、新作映画の上映が各国で行われました。特に、カンヌ国際映画祭が開催され、三國連太郎監督の『親鸞 白い道』が審査員賞を受賞するなど、日本映画も国際舞台で存在感を示しました。

9月には今村昌平監督の『女衒 ZEGEN』がカディスでの国際映画祭でグランプリを獲得し、世界的に評価されました。また、東宝は『竹取物語』のニューヨーク・ワールド・プレミアを開催し、日本の文化も積極的に発信していました。さらに、12月31日には東宝のローマ駐在員事務所が閉鎖され、国際的な活動の変化も記録されています。

日本の映画界

日本では、年始から東宝が新記録の年間配収を達成するなど、経済的にも順調なスタートを切りました。『夜汽車』が公開され、堅調なスタートを切った他、映画字幕翻訳者協会が翻訳料の値上げを決議するなど、業界の変化が見られました。

後には、松竹が映画『となりのトトロ』や『火垂るの墓』の製作発表を行い、宮崎駿監督、野坂昭如、そして多くの関係者が集まり、今後の展開への期待が高まりました。

映像テクノロジーの進化もあり、家庭用ビデオの普及が進み、43%に達するなど、市場に大きな影響を与えました。しかし、それに伴い、劇場には若者の足が遠のく傾向も見え、入場者数が低下してしまうという報告もありました。

受賞成果

1987年の映画は、アカデミー賞など数々の国際的な映画賞でも存在感を示しました。『ラストエンペラー』が作品賞を受賞し、監督のベルナルド・ベルトルッチも監督賞を獲得しました。同作はまた、ゴールデングローブでも高い評価を受け、映画史に名を刻みました。日本映画では『マルサの女』が多くの賞を獲得し、国内外で高く評価されました。

業界の未来

映画業界は1987年をきっかけに、多様な展開を迎える準備が進んでいたことが伺えます。技術革新や国際的な交流により、新しい映画の波が次々と生まれる中、今後の方向性や市場の変化に期待が高まります。こうした動きがどのように今後の映画文化に寄与するのか、注目が集まっています。

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