1987年東京都知事選挙

1987年東京都知事選挙について

1987年4月12日に行われた東京都知事選挙は、第11回統一地方選挙の一環として実施されました。この選挙では、3期目を目指す現職の鈴木俊一氏に対し、複数の候補者が挑む構図となりました。

選挙の背景

当時、都政与党であった自民党、民社党、公明党は、鈴木氏を支持し、いわゆる「自公民路線」を形成していました。一方、1980年の社公合意によって形骸化していた社会党と共産党の共闘は、この選挙で完全に崩壊しました。これは、1955年の革新統一候補・有田八郎以来、30年以上にわたって続いてきた社会党と共産党の連携が、事実上終焉を迎えたことを意味します。

社会党内では、小中陽太郎氏や小田実氏などの名前が候補者として挙がっては消えましたが、党内の路線対立をまとめきれず、当時の委員長であった土井たか子氏が責任を取る形で、党都本部委員長で元参議院議員の和田静夫氏が出馬することとなりました。また、日本共産党は勤労者通信大学学長の畑田重夫氏を推薦しましたが、革新統一の候補者を擁立することができませんでした。

特筆すべき候補者たち

この選挙では、花形武氏と深作清次郎氏の政見放送が話題を呼びました。深作氏は、この選挙が5度目の都知事選挑戦であり、生涯最後の出馬となりました。また、常連候補であった品川司氏も、この選挙が唯一の首長選挑戦となりました。さらに、1955年から9回連続で都知事選に出馬していた赤尾敏氏も、この選挙が最後の挑戦となりました。

東郷健氏は、太田竜氏の唱えるユダヤ陰謀論に影響を受け、後の選挙で共闘するようになりました。渡邊氏は福田拓泉氏の支援を受けて立候補しました。

選挙結果

選挙の結果、投票率は43.19%と、前回の1983年の47.96%を大きく下回りました。候補者別では、鈴木俊一氏が圧倒的な得票数で当選を果たしました。社会党推薦の和田氏と共産党推薦の畑田氏がそれぞれ立候補したことで、革新勢力の票が分散し、現職批判票が分散しました。これにより、多選批判を乗り越え、鈴木氏が圧勝する結果となりました。

他の候補者の中では、品川司氏が赤尾敏氏らを上回り、「その他の候補」の中で最上位となりました。

まとめ

この選挙は、社会党と共産党の共闘が崩壊し、現職の鈴木俊一氏が圧倒的な支持を得て3選を果たした選挙として、日本の政治史に記録されています。また、多くの個性的な候補者が出馬し、それぞれの主張を繰り広げた点でも、注目に値する選挙でした。

[外部リンク] (東京都知事選 - 過去の選挙 朝日新聞デジタル)

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