1987年欧州議会議員選挙 (ポルトガル)

1987年ポルトガル欧州議会議員選挙：中道右派の勝利と多党制の現状

1987年7月19日、ポルトガル共和国では欧州議会議員選挙が実施されました。これは、1986年1月1日に欧州共同体（EC）に加盟したポルトガルとスペインにおける欧州議会議員を選出するために行われた選挙であり、同日に行われた共和国議会選挙と同時に行われました。本稿では、ポルトガルにおける選挙結果について詳細に見ていきます。

選挙の概要

ポルトガルにおける欧州議会議員定数は24名でした。選挙制度は比例代表制で、全国を1つの選挙区として、有権者7,787,603名が投票に参加しました。投票率は72.42％と比較的高い数値を示しています。12政党が名簿を提出して選挙戦を展開し、国民は政党リストの中から一つに投票しました。議席配分は、全国での得票数に応じてドント方式を用いて決定され、議席阻止条項はありませんでした。

選挙結果と主要政党の動向

選挙の結果、名簿を提出した12政党のうち5政党が議席を獲得しました。注目すべきは、中道右派の政党が、共和国議会選挙と同様に第1党となったことです。これは、ポルトガルの政治状況において、中道右派勢力の強い基盤を示す結果と言えます。各政党の得票率や獲得議席数に関する具体的なデータは、国立選挙委員会（CNE）の選挙データ検索サイトで確認できます。このサイトでは、第三共和政以降のポルトガル共和国における国政と地方選挙の詳細な結果を検索することが可能です。

選挙制度と政治的背景

比例代表制を採用したこの選挙は、各政党の支持基盤を反映した結果となりました。議席阻止条項がないことから、小規模な政党にも議席獲得の可能性が開かれていたと言えるでしょう。この選挙結果は、ポルトガルの多様な政治勢力と、その間の力関係を反映していると言えるでしょう。また、同日に行われた共和国議会選挙との関連性も考慮する必要があります。両選挙の結果を比較することで、ポルトガルの政治的安定性や将来展望を分析する上で重要な手がかりが得られるでしょう。

まとめ

1987年ポルトガル欧州議会議員選挙は、EC加盟後のポルトガルにおける政治状況を反映した重要な選挙でした。中道右派政党の勝利、多様な政党勢力の存在、そして高い投票率など、様々な側面から分析することで、ポルトガルの政治史におけるこの選挙の意義を理解することができます。今後の研究においては、選挙結果の詳細な分析、比較政治学的な視点からの考察、そしてポルトガルの政治・社会状況との関連性の解明などが課題となるでしょう。選挙データの活用、関連文献の参照を通して、より詳細な分析を進めることが重要です。参考文献として、馬場康雄、平島健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック』（東京大学出版会）、西平重喜著『各国の選挙　変遷と実情』（木鐸社）などを挙げることができます。

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