1989年の全日本F3選手権

1989年全日本F3選手権概要

1989年の全日本F3選手権は、鈴鹿サーキットで3月4日から5日に開幕し、同年11月5日から6日に閉幕しました。シーズンは全9戦で構成され、影山正彦がチャンピオンとなり、その活躍が光った大会です。

シーズンの展開

このシーズンは、ブリヂストンによるワンメイク・コントロールタイヤが使用される2年目となりました。元々は全10戦のスケジュールで、7戦の有効ポイント制での競技が計画されていましたが、第4戦である仙台ハイランドで濃霧により決勝が中止されたため、シーズンは全9戦に変更。更に有効ポイント制も、ベスト7戦からベスト6戦に改定されました。

また、10月には『F1日本グランプリ』のサポートレースとして1戦が行われましたが、このレースは全日本選手権には含まれません。前年から参加台数も増加し、多くの企業がスポンサーとして全日本F3に参入することで、注目度と競争が一層高まりました。

影山正彦の圧倒的な強さ

3年目の参戦を果たした影山正彦（レイトンハウス／ラルト・無限）は、開幕戦でF3初勝利を達成し、その後も富士・鈴鹿で連続勝利を重ねているところが印象的です。第5戦筑波では、スタート時のペナルティを受けた村松栄紀が好機を逃さずF3初優勝を果たしました。

一方、選手権のポイントリーダーに立つ影山は、シーズン中に5勝を挙げたことで最終的にチャンピオンの座を確定させました。

競争の激化

F3はより競争が激しくなり、参戦マシンの中ではラルト・RT33と無限・MF204エンジンの組み合わせが最も強力とされました。さらにレイナード製シャシーも参加し、エリック・バシュラールがダラーラ製F3シャシーでフルシーズン参戦を果たし、これがダラーラにとっての全日本F3への初の試みとなりました。

第7戦では服部尚貴がフォルクスワーゲン・GXエンジンによって初の勝利を挙げ、金石勝智や黒沢琢弥、和田久といった若手ドライバーの活躍も注目されました。特に金石は20歳のルーキーとして連続で表彰台を獲得し、彼の成長が目立つ結果となったのです。

結論

1989年の全日本F3選手権は、モータースポーツが盛り上がっている日本において、各チームの強化や新たな才能の台頭が見えた年でした。多くの企業が全日本F3に参入したことで、エントリー台数も45台から50台に増加し、毎戦の予選では15人前後が予選落ちするという厳しい競争環境が生まれました。こうした展開は、今後の全日本F3選手権にさらなる期待を寄せることに繋がるでしょう。

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