1989年の日本シリーズ

1989年日本シリーズの詳細

1989年の日本シリーズは、10月21日から10月29日にかけて開催されました。この大会は、読売ジャイアンツ（巨人）と近鉄バファローズ（近鉄）という、いずれもセ・リーグおよびパ・リーグの優勝チームによる第40回のプロ野球日本選手権シリーズです。

概要

この年の日本シリーズでは、巨人が初戦から3連敗したものの、その後の4連勝で17度目の日本一を達成しました。この「3連敗から4連勝」というのは、1958年および1986年に次ぐ珍しいケースであり、プロ野球史においても特筆すべき出来事でした。

また、当時の監督である巨人の藤田元司と近鉄の仰木彬は、選手の力を引き出す技術に秀でており、それが「マジック」と称されていました。報道でも「マジシャン初対決」として、両監督の奮闘が注目されていました。セ・リーグの優勝チームが日本シリーズを制したのは1985年以来となり、パ・リーグがここ数年連続して勝利を収めていたため、その意味合いは非常に大きなものでした。

収益と対戦履歴

入場料収入は約7億5273万5900円に達し、選手や監督への分配金は巨人が約4777万円、近鉄が約3184万円という記録が残っています。この日本シリーズでは、巨人と近鉄が初めて顔を合わせて対戦し、巨人はこの年にパ・リーグの全球団とシリーズで対戦し勝利を収めたことから、プロ野球史上初の偉業を達成しました。

シリーズの流れ

勝敗を巡る展開

今回のシリーズでは、事前には巨人が有利だと見られていたものの、近鉄が予想外の好調を維持しました。第1戦から第3戦までを連勝した近鉄は、5連勝でシリーズ制覇へ王手をかけました。しかし、これに関して巨人側の選手が奮起し、その流れがシリーズに転機をもたらしました。

特に、第4戦での香田勲男による完封勝利や、第5戦での斎藤雅樹の奮闘があり、徐々に巨人の勢いが増していきます。これにより、巨人はその後の3試合で連勝を果たし、結果的に4連勝で日本一に輝くこととなりました。シリーズ中には、選手間の挑発的な発言や、冷静なプレーが試合を盛り上げる要素にもなりました。

トピックと記録

また、このシリーズでは藤井寺球場の使用はこの年が唯一であり、東京ドームでの日本シリーズ開催も初めてのことでした。平成元号として最初の日本シリーズでもあり、歴史的意義も含まれています。特にキーマンとなった選手は、巨人の駒田徳広で、彼はシリーズ通算打率.522という驚異的な成績を残し、最終的にMVPに選出されました。

まとめ

1989年の日本シリーズは、このように双方のチームにとって燃えるような出発点と成り、プロ野球界の歴史に強く刻まれました。両監督の個性や選手たちの熱い戦いは、今なお語り草となっているのです。

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