1989年オーストラリアグランプリ

1989年オーストラリアグランプリの詳細

1989年11月5日、アデレード市街地コースで開催されたオーストラリアグランプリは、1989年F1世界選手権の第16戦に位置づけられています。このレースは、その前の日本グランプリでの出来事が影響を与えたドラマティックなレースとなりました。

概要

日本グランプリでは、アラン・プロストの年間チャンピオンが決まったかに見えました。なぜなら、セナがトップでフィニッシュしたにも関わらず、「失格」との裁定を受けたからです。この決定に対し、マクラーレンチームは異議を唱え、次いで日本グランプリの優勝者アレッサンドロ・ナニーニも「暫定」として扱われることになりました。

後日、FIAの国際控訴法廷にて、セナの失格処分が支持され、さらにセナには罰金と出場停止処分が言い渡されることとなります。これにより、マクラーレンの代表ロン・デニスは民事訴訟を考慮しつつ、アデレードでのレースウィークを迎えたのです。

予選結果

予選は晴天の中で行われ、金曜日にはプロストが暫定のポールポジションを獲得しましたが、土曜日の予選ではセナがタイムを更新し、プロストを逆転しました。セナの驚異的なパフォーマンスは、1989年シーズンの中でも際立ったものでした。

決勝レース

レースは当初の開始予定時刻から30分遅れて始まりました。朝からの豪雨の影響で、状況は非常に危険でした。多くのドライバーがレース開始を望みませんでしたが、最終的にレースがスタート。

しかし、スタート直後に混乱が生じ、さらに赤旗中断が発生します。プロストは1周目の終了時に自らピットに戻り、レースをリタイアしました。

午後に再スタートが切られましたが、プロストを除く他のドライバーは悪化するコンディションの中で次々にリタイア。その中で、セナも事故に巻き込まれリタイアし、他の多くのドライバーも同様の運命をたどりました。

中嶋悟の活躍

一方で、ロータス・ジャッドの中嶋悟は、予選での不利な成績にもかかわらず、ウエットコンディションで素晴らしい技術を発揮しました。彼は19台をオーバーテイクし、4位まで上昇しました。

特に、リカルド・パトレーゼとのバトルは見応えがありました。水しぶきの影響でミスファイアを患いながらも中嶋は挑み続けましたが、最終的には4位でゴール。

大荒れの結末

完走したのはわずか8台という状況で、レースは規定の周回数には達せず70周で終了しました。優勝したのはティエリー・ブーツェンで、カナダグランプリ以来の勝利を果たしました。

記録と評価

このレースは多くのメディアで取り上げられ、中嶋の優れたドライビングテクニックは特に高く評価されました。BBCの解説者ジェームス・ハントも彼のスキルを称賛し、彼の名は1989年のF1史に刻まれたのでした。

このように、1989年オーストラリアGPは、数々のドラマと忘れ難いパフォーマンスによって、F1の歴史に残る重要なレースとなりました。

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