1990年のワールドシリーズ

1990年ワールドシリーズの振り返り

1990年のワールドシリーズ、第87回目のこの大会は、10月16日から20日までの間に計4試合が開催されました。対戦カードはナショナルリーグのシンシナティ・レッズとアメリカンリーグのオークランド・アスレチックス。レッズがこのシリーズを4勝0敗という圧倒的な成績で制し、14年ぶりに5度目の栄冠を手にしたことが大きな話題となりました。

対戦の背景

レッズとアスレチックスの対決は、1972年以来18年ぶりとなる再戦でした。特にレッズは、過去のシリーズでも強豪として知られており、1954年のニューヨーク・ジャイアンツ以来、レギュラーシーズンで勝利が少なかったチームが初戦から全勝の「スウィープ」を成し遂げたのは、史上2チーム目の記録でもあります。この事実がこのシリーズの特異性を示し、注目を集めました。

選手の活躍

シリーズの中でも特に目立ったのはレッズのビリー・ハッチャーです。彼は第1戦で第2打席から7打数連続ヒットを記録し、このシリーズの新記録を樹立しました。最終的には4試合で打率.750、OPS 2.050という驚異的な成績を収めましたが、意外にもシリーズMVPには選出されませんでした。

栄冠を手にしたのは、レッズの投手ホセ・リーホです。リーホは第1戦と第4戦で先発を務め、合計15.1イニングを投げ2勝、ただ1失点に抑える防御率0.59を記録。彼の見事なピッチングがレッズの優勝に貢献しました。さらに、リーホは1985年2月にカリブ海沿岸で行われたウィンターリーグの「カリビアンシリーズ」においてもMVPを受賞しており、この2つの大会でMVPを獲得した選手は彼が初めてであることも特筆すべき点です。

シリーズの日程

1990年のワールドシリーズは、10月16日から始まり、途中に移動日を挟んで4試合が行われました。試合は以下のように進行しました。

• - 第1戦: 10月16日 リバーフロント・スタジアム（オハイオ州シンシナティ）
• - 第2戦: 10月17日 リバーフロント・スタジアム（オハイオ州シンシナティ）
• - 第3戦: 10月19日 オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム（カリフォルニア州オークランド）
• - 第4戦: 10月20日 オークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアム（カリフォルニア州オークランド）

このシリーズでは、特に開催日程が土曜日を避けて火曜日に設定されたことが注目されました。これは、MLB（メジャーリーグベースボール）機構と選手会との交渉が合意に至らず、スプリングトレーニングのロックアウトの影響で日程が遅れたためです。

まとめ

1990年のワールドシリーズは、シンシナティ・レッズにとって特別な意味を持つ年となりました。伝説的なプレーヤーたちのパフォーマンスと意外性に富んだ結果が、今日に至るまで語り継がれています。それは野球史における一つの名場面であり、ファンにとっては記憶に残る瞬間となったことは間違いありません。

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