1991年の横浜大洋ホエールズ

1991年の横浜大洋ホエールズのシーズン回顧

1991年の横浜大洋ホエールズは、須藤豊監督にとって2年目のシーズンでした。前年は7年ぶりにAクラス入りを果たし、3位という成績でシーズンを終えたチームは、その波に乗り、さらなる成功を目指しました。この年には現役メジャーリーガーのロバート・レイノルズを獲得し、打線の強化が図られ、ジム・パチョレックとともに3番・4番を形成しました。ファンや関係者の間では、31年ぶりの優勝が期待されていました。

シーズンは好スタートを切り、4月を18年ぶりの首位で終了しました。しかし6月前半にはAクラス争いに加わるものの、以降は故障者が続出し、チームの成績は徐々に下降していきました。そのため、8月以降は巻き返しを試みつつも前年と同じ64勝を挙げたものの、ヤクルトや巨人との3位争いには加わることができず、最終的には借金2の状態で、優勝した広島に対しては10ゲーム差の5位に転落してしまいました。

投手陣に目を向けると、前年に11勝を挙げた野村弘樹が、この年もローテーションを守りチームトップの15勝を挙げました。さらに、中継ぎで活躍していた岡本透や大門和彦もそれぞれ11勝と6勝を挙げ、防御率も3点台とまずまずの成績でした。また、リリーフ陣では、衰えが見え始めた遠藤一彦に代わって佐々木主浩が守護神に昇格し、彼の登板もチームを支える重要な要素となりました。中継ぎでは盛田幸妃が台頭し、チーム防御率は3.74でリーグ4位という結果を残しました。

打撃陣では、前年の首位打者パチョレックが4年連続打率3割を記録し、レイノルズがチームトップの15本塁打、高木豊が.333でチームの首位打者に選出されました。しかしながら、チーム全体の本塁打は両リーグ最少の66本に留まり、貧打に苦しむ結果となりました。特に中日の179本という数字が際立つ中で、このような成績はチームにとって大きな課題でした。

シーズン終盤には衝撃的な出来事が発生しました。主力投手の中山裕章が幼児への強制わいせつ事件を起こし逮捕され、後に解雇されることとなりました。この事件は球界に大きな波紋を呼び、チームとしても厳しい状況に直面しました。結局、1991年のシーズンは期待された優勝には届かなかったものの、チーム内には明るい兆しも見え、来るべきシーズンに向けた試行錯誤が続く一年となりました。

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