1995年のNFLドラフト

1995年NFLドラフト：新時代の幕開けと栄光、そして悲劇

1995年のNFLドラフトは、第60回目の開催として、4月22日から23日の2日間、ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで実施されました。この年のドラフトは、2つの新しいエクスパンションチーム、ジャクソンビル・ジャガーズとカロライナ・パンサーズの参入により、新たな時代を迎えることとなりました。

ドラフトの概要

ドラフト指名順は、完全ウェーバー制に基づいて決定されました。エクスパンションドラフトでは、ジャガーズが最初の指名権を獲得し、その後のドラフトではパンサーズが全体1位指名権を得ました。しかし、パンサーズはこの指名権をシンシナティ・ベンガルズにトレードし、ベンガルズはペンシルベニア州立大学のキジャナ・カーターを指名しました。ベンガルズは前年のドラフトでも全体1位指名権を持っており、ダン・ウィルキンソンを指名していました。

注目の選手たち

キジャナ・カーターは、前年のハイズマン賞選考でラシャーン・サラームに次ぐ2位となり、大きな期待を背負ってドラフトに臨みました。一方、ドラフト上位指名が予想されたウォーレン・サップは、全体12位でタンパベイ・バッカニアーズから指名を受けました。

カーターの悲劇とサラームの挑戦

過去4シーズンで平均3勝しか挙げられていないベンガルズの救世主として期待されたカーターでしたが、プレシーズン第1週の試合でACLを断裂し、シーズンを棒に振ることとなりました。その後、彼は2年間で15タッチダウンを記録しましたが、4シーズンでベンガルズを去り、7シーズンで1,144ヤード獲得、20タッチダウンにとどまりました。

前年のハイズマン賞受賞者であるラシャーン・サラームは、1巡21位でシカゴ・ベアーズに指名されました。

エクスパンションチームの戦略とトレード

パンサーズとジャガーズには、1巡指名権を含む追加のドラフト指名権が与えられました。しかし、パンサーズはピッツバーグ・スティーラーズの守備コーディネーター、ドム・ケイパーズをヘッドコーチとして迎えるにあたり、追加のドラフト2巡、6巡指名権を失いました。

また、この年のドラフトでは、多くのトレードが成立しました。以下はその主なものです。

カロライナ・パンサーズは全体1位指名権をシンシナティ・ベンガルズの全体5位指名権及び2巡指名権とトレード
タンパベイ・バッカニアーズは全体7位指名権と3巡指名権をフィラデルフィア・イーグルスの全体12位指名権、2つの2巡指名権とトレード
アトランタ・ファルコンズは全体10位指名権をクリーブランド・ブラウンズの全体26位指名権及びエリック・メトカーフとトレード
デンバー・ブロンコスは全体11位指名権を前年にアトランタ・ファルコンズからマイク・プリチャードを獲得したトレードにからんで譲渡
アリゾナ・カージナルスは全体16位指名権、4巡指名権をニューヨーク・ジェッツのロブ・ムーアとトレード
カンザスシティ・チーフスは全体19位指名権をジャクソンビル・ジャガーズの全体31位指名権、3巡、4巡、翌年の4巡指名権とトレード
グリーンベイ・パッカーズは全体22位指名権、6巡指名権をカロライナ・パンサーズの全体32位指名権、3巡、6巡指名権とトレード
ダラス・カウボーイズは全体28位指名権をタンパベイ・バッカニアーズの2つの2巡指名権とトレード
* サンディエゴ・チャージャーズは全体29位指名権をカロライナ・パンサーズの2巡、3巡指名権とトレード

まとめ

1995年のNFLドラフトは、エクスパンションチームの参入や大型トレードなど、多くの話題に彩られたドラフトでした。キジャナ・カーターの悲劇やラシャーン・サラームの挑戦など、それぞれの選手が異なる運命を辿り、NFLの歴史に名を刻みました。

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