1996年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ

1996年アメリカンリーグ優勝決定戦の詳細

1996年のメジャーリーグポストシーズンは、10月1日に幕を開けました。この年のアメリカンリーグチャンピオンシップシリーズ（ALCS）は、9日から13日の間に行われ、ニューヨーク・ヤンキースとボルチモア・オリオールズの対決が注目を集めました。この対戦は、両チームにとってポストシーズンでの初の顔合わせとなります。

ヤンキースは、過去15年間の空白を経て34回目のリーグ優勝を手にし、ワールドシリーズへの進出を決めました。1994年に導入されたワイルドカード制度により、地区優勝を果たさない球団がポストシーズンに出場できるようになり、オリオールズもその恩恵を受けての進出でした。このシーズン、ヤンキースはオリオールズとのレギュラーシーズンでの対戦成績が10勝3敗と大きく勝ち越していました。

試合の経過

第1戦（10月9日）

ヤンキー・スタジアムで行われた第1戦では、試合のクライマックスである8回裏、ヤンキースの星、デレク・ジーターが右方向に飛球を放ちました。しかし、この打球は観客の手によって捕球されたかのように見え、右翼手のトニー・タラスコもその影響を受けました。審判のリッチ・ガルシアはこれを守備妨害とみなさず、本塁打と判定。これによってヤンキースは同点に追いつき、結果として試合に勝利しました。この観客、12歳の少年ジェフリー・マイアーは、ヤンキースのファンから「英雄」と称えられることになります。

第2戦（10月10日）

第2戦もヤンキー・スタジアムで行われ、ヤンキースは連勝を収めました。打線が効果的に機能し、オリオールズを圧倒、試合をリードしました。

第3戦（10月11日）

この試合は、ボルチモアのオリオール・パーク・アット・カムデン・ヤーズで行われました。オリオールズがホームの利を活かし、意地を見せる場面もありましたが、ヤンキースの強力なピッチングに阻まれました。

第4戦（10月12日）

オリオールズはここでも反撃を試みますが、ヤンキースの果敢な攻撃に耐えきれず、結果としてヤンキースが勝利を収めました。

第5戦（10月13日）

シリーズの最終第5戦もオリオールパークでの戦いとなりました。この試合は両チームにとって勝負が決まる一戦で、緊迫した投手戦が展開されましたが、ヤンキースが最終的に勝利し、リーグ優勝を決定づけました。

MVPとワールドシリーズへの道

このシリーズでのMVPには、ヤンキースのバーニー・ウィリアムスが選ばれました。ウィリアムスは5試合で打率.474、2本塁打、6打点を記録し、特に第1戦での延長11回裏におけるサヨナラ本塁打が印象深いパフォーマンスとなりました。

その後、ヤンキースはワールドシリーズに進出し、ナショナルリーグ王者アトランタ・ブレーブスを相手に4勝2敗で勝利。この年の優勝は、ヤンキースにとって18年ぶりのタイトル獲得となりました。ヤンキースが再び王座に返り咲く記念すべき年となった1996年のポストシーズンでした。

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