2プラス2 (自動車の車体形状)

2+2クーペ：定義と特徴

2+2（ツー・プラス・ツー）とは、自動車の車体形式の一種であるクーペにおいて、運転席と助手席に加え、後部に2つの座席を備えたモデルを指します。しかし、これらの後部座席は大人2人が快適に座れる広さではなく、子供用や非常用としての利用を想定した、足元空間が著しく狭小なものが一般的です。そのため、通常の4人乗りまたは5人乗りクーペとは明確に区別されます。

後部座席を備えない2シータークーペを製造するメーカーの中には、後部座席が狭いながらも存在するモデルを区別するために、「2+2」という名称を用いる傾向があります。

2+2クーペの定義

一般的に、2+2クーペは2つの前部座席と2つの後部座席を持つ車として定義されます。しかし、後部座席は前述の通り狭く、また2ドアクーペのボディ形状を持つことが共通の特徴と言えるでしょう。オープンカーやタルガトップ、ハッチバックなど、文字通りの定義に合致する車種も存在するものの、それらが「2+2」として分類されることは稀です。

2+2クーペの用例

市場には、メーカーが公式に「2+2」と銘打っていないにもかかわらず、上記の定義を満たすクーペが多く存在します。これは、「2+2」という呼称が、同一モデルの2シーターオープンカー版との差別化を図る目的で主に使用されるためです。

代表的な例として、ジャガーEタイプ・フィックスヘッドクーペ2+2、ロータス・エラン2+2、日産300ZX 2+2、シボレー・モンツァ2+2などが挙げられます。また、1965年と1966年のフォード・マスタング2+2もその一つです。このモデルは、標準装備として折り畳み式の後部座席が備えられており、「MUSTANG」のエンブレムが「MUSTANG 2+2」に変更されていました。しかし、1967年以降、後部座席がオプションとなり、「2+2」の呼称は廃止されました。ポンティアックも同様の「2+2」モデルをラインナップしていました。

2+2クーペと市場における位置づけ

「2+2」という呼称は、必ずしも厳格な定義に基づいているわけではなく、メーカーのマーケティング戦略によって使用されている側面があります。そのため、同じ車種でも、市場や時代によって「2+2」と分類される場合とされない場合があることに注意が必要です。

2+2クーペは、スポーツカーとしての要素と、わずかながらも後部座席を持つ実用性のバランスを追求したモデルと言えるでしょう。しかし、後部座席の居住性は限定的であるため、主に2人乗りのスポーツクーペを求めるユーザー層をターゲットにしていると言えるでしょう。

関連用語

セグメント (自動車)：自動車の分類方法
クーペ：2ドアの乗用車ボディスタイル
タルガトップ：ルーフの一部が取り外せる車
グランツーリスモ：長距離走行に適した高性能車
* スポーツカー：スポーツ走行に適した高性能車

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