2.5次元

2.5次元についての詳細

2.5次元とは、物体の三次元形状を特定の方向からの視点で表現したもので、二次元と三次元の中間に位置する概念です。この用語は、厳密な数学的定義によるものではなく、主に見え方や情報の制約から生まれました。2.5次元の表現では、物体の裏側や内部の情報は含まれず、視覚的に捉えられる表面情報のみが利用されます。

2.5次元の表現方法

通常、2.5次元は2次元データに追加情報を加える形で表現されます。例えば、物体の奥行きに関する情報を持つ距離画像や、物体の表面法線の向きを示す法線マップなどがあります。これにより、二次元の平面上に奥行き（高さ）を加える手法が用いられます。この手法は「掃引」と呼ばれ、技術的には二次元の座標に立体的な属性を付加するプロセスを示します。

用途と役割

2.5次元の概念は、特に建築や機械の設計において便利です。このような分野では、人体や動物のような複雑な形状をモデリングする必要がない場合が多いため、CADソフトウェアが広く用いられています。これらのソフトウェアでは、2.5次元の表現を用いることで、立体物の設計が行いやすくなります。

また、地理情報システム（GIS）でも2.5次元の概念が用いられています。GISでは、等高線を利用して起伏のある地形を表現しますが、トンネルやオーバーハングなどの地形の裏側を考慮することはできません。これもまた、2.5次元の特性の一部です。

2.5次元の他のバリエーション

数学の分野でも面白い現象があります。ハウスドルフ次元や相似次元では、フラクタル図形が必ずしも整数次元ではないため、2.5次元となることもあります（例: メンガーのスポンジ）。ただし、フラクタル図形の次元は一般的に無理数であることが多いです。

コンピュータゲームにおける利用

コンピュータゲームの中では、三次元コンピュータグラフィックスが使われていても、ゲームの流れが二次元の形式（例: 上下左右の移動は可能だが奥行きが無視される）である場合を2.5次元と呼ぶことがあります。

キャラクター表現と2.5次元

また、アニメキャラクターやコスプレ等の表現についても2.5次元という言葉が使われます。これは、二次元（アニメ等のキャラクター）と三次元（実在の人物）の中間であるという意味合いから来ています。特に、キャラクターの模型や着ぐるみ、コスプレイヤー、アイドル声優などが舞台で演じる際に使われることが多いです。また、恋愛シミュレーションゲームにおいて、キャラクターの顔がリアルに動くモーションポートレート技術を利用した場合に、勘違いされることもあります。