2002年全ロシア国勢調査

2002年全ロシア国勢調査

2002年10月9日から16日にかけて、ロシア連邦全土で実施された国勢調査は、連邦国家統計局によって行われました。この調査は、ロシア連邦の居住者だけでなく、国内に滞在する外国人や無国籍者も対象としており、人口動態を詳細に把握することを目的としていました。

調査の背景と目的

国際連合の基準では、国勢調査は10年ごとに行うことが推奨されています。しかし、ロシアでは前回の国勢調査が1989年1月に行われたソ連時代のものであったため、今回の調査は社会状況の変化を反映する上で不可欠でした。この調査には48億ルーブルという巨額の費用が投じられました。

調査対象

調査の主な対象は、ロシア連邦の居住人口でした。居住人口とは、以下のいずれかに該当する人々を指します。

ロシア国内に居住するロシア国民（一時的に海外に滞在している者も含む）
ロシア国内に居住する外国人および無国籍者で、以下のいずれかに該当する者
合法的な永住権を持つ者
正式な入国手続きの有無に関わらず、永住または難民としての保護を求める者
ロシアでの一時居住期間が1年以上見込まれる、許可を得た外国人労働者または学生

調査対象者には、性別、生年月日、婚姻状況、家族構成、出生地、国籍、民族、教育水準、言語能力、収入源、職業などが質問されました。また、一部の回答者には資産や住居状況に関する質問も行われました。

さらに、居住人口に加えて、以下の2種類の非居住人口も調査対象となりました。

連邦政府の雇用に関連して1年以上海外に一時的に居住しているロシア国民
一時的にロシアに滞在している海外の永住者（観光、短期労働、留学など）

ただし、外交官や国際機関職員とその家族は、調査対象外とされました。

調査結果

調査の結果、ロシアの居住人口は145,166,731人となり、前回の調査から約180万人減少していることが分かりました。内訳は男性が67,605,133人、女性が77,561,598人でした。都市人口は106,429,000人（73%）、農村人口は38,738,000人（27%）でした。

非居住人口については、以下の通りでした。

連邦政府の雇用に関連して1年以上海外に一時的に居住しているロシア国民：107,288人
外国人人口：239,018人

国籍に関しては、回答者のうち142,442,000人がロシア国籍を所有しており、そのうち44,000人が多重国籍者でした。ロシアの居住人口のうち、外国籍を持つ人は1,025,413人、無国籍者は429,881人でした。また、1,269,023人は国籍が不明でした。

言語に関する質問では、ロシア語能力について尋ねられました。回答者のうち98.3%にあたる1億4260万人がロシア語に堪能であると答えました。その他の主要な言語については以下の表にまとめられています。

調査結果の考察

調査結果を分析したところ、実測人口が推計人口と比べて大きなずれが見られました。特に極東地域では15万人近くの人口が不足していることが判明しました。この人口のずれは、地方への財政補助金に影響を与えるため、一部の地域では虚偽の申告が行われた可能性が指摘されています。例えば、チュクチ自治管区では28%の人口が不足しており、モスクワでは公式人口より200万人近く多い結果となりました。また、チェチェン共和国では推計人口を77%も上回る人口が報告されており、データの信頼性について議論を呼んでいます。

このような結果の矛盾から、地方自治体が財政補助金の削減を避けるために、意図的に人口を操作したという仮説が生まれました。また、死亡者が結果の歪曲に使われたという報告も一部であります。

連邦国家統計局は2006年に実測人口と推計人口のずれに基づき、州ごとの歴史的な人口推移データを補正しました。補正前のデータは一部のウェブサイトで参照できます。

その他の興味深い点

ペルミでは、多くのJ・R・R・トールキンのファンが民族の欄に「ホビット」や「エルフ」と記入し、ロストフ＝ナ＝ドヌでは30人が自らをスキタイ人と自称していました。これらの事例は、国勢調査が社会の多様な側面を反映する興味深い一面を示しています。

関連情報

ロシアの人口動態
ロシア帝国国勢調査
ソ連国勢調査
日本の国勢調査)

出典

Сайт переписи населения России
Федеральная служба государственной статистики

参考文献

«МИГРАЦИОННАЯ СТАТИСТИКА В ОТКРЫТОМ ОБЩЕСТВЕ». На вопросы Виталия КУРЕННОГО отвечает Владимир СОКОЛИН, руководитель Федеральной службы государственной статистики («Отечественные записки», № 4 (19) (2004))
Максудов С. «Население Чечни: права ли перепись?» (Демоскоп)
Российская перепись в этническом измерении (Демоскоп)
Population of Chechnya: was the Census correct?

外部リンク

Official census home page

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