2003年マレーシアグランプリ

2003年3月23日、マレーシアのセパン・インターナショナル・サーキットにおいて、F1世界選手権第2戦、2003年マレーシアグランプリが開催されました。

予選では、金曜日のフリー走行ではフェラーリ勢がトップタイムを記録するも、決勝グリッドを決める土曜日の予選では、ルノーがその勢いを圧倒しました。特にフェルナンド・アロンソは、見事ポールポジションを獲得。この快挙により、アロンソは当時最年少でのポールポジション獲得という偉業を達成しました。彼の年齢は、21歳236日でした。また、ルノーチームにとっても、1984年フランスグランプリ以来となるポールポジション獲得となりました。

決勝レースは、スタート直後からドラマチックな展開となりました。2コーナーで、ミハエル・シューマッハがジャンクション・トゥルーリに追突するという衝撃的なアクシデントが発生。この接触により、トゥルーリはスピン、シューマッハはペナルティを科せられ、共に順位を大きく落としました。さらに、開幕戦オーストラリアグランプリの優勝者、デビッド・クルサードは、3周目に電気系のトラブルでリタイアを余儀なくされました。上位陣にとっては、まさに波乱のスタートとなりました。

レース序盤は、アロンソ、ライコネン、ハイドフェルド、バリチェロ、パニスといった面々がトップグループを形成しました。アロンソは13周目に最初のピットストップを行い、ライコネンはさらに6周走行してからピットイン。この戦略が功を奏し、ライコネンはトップに躍り出ました。一方アロンソは、ギアボックストラブルに苦しみ、2回目のピットストップの後にはバリチェロに抜かれ3位に後退。優勝争いから脱落しました。

対照的にライコネンは、その後も安定した走りを見せ、独走態勢を築きます。そして、F1参戦3年目、36戦目にして念願の初優勝を手にしました。後方では、トゥルーリとシューマッハが猛追。最終ラップには、ジェンソン・バトンを抜いて、それぞれ5位と6位でフィニッシュしました。

この2003年マレーシアグランプリは、予選から決勝まで、予想外の展開が続き、多くのドラマを生み出したレースとなりました。アロンソの若き才能の開花、ライコネンの初優勝、そして、上位陣が次々と巻き込まれたアクシデントとマシントラブルなど、様々な要素が絡み合った、記憶に残る一戦でした。このレースは、F1の歴史に大きな足跡を残すこととなったのです。

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