2004年から2005年のNHLロックアウト

2004-2005 NHLロックアウトの詳細

2004年9月16日から2005年7月13日まで、ナショナルホッケーリーグ（NHL）は経営者側によるロックアウトを強いられました。この労働争議は、およそ310日間にわたり続き、北米のプロスポーツリーグとしては最も厳しいものの一つとされています。ロックアウトの最中には、予定されていたスタンレー・カップ決勝戦が初めて中止され、全1230試合がキャンセルされる異常事態が発生しました。

ロックアウトの背景

NHLの労働協約は2004年9月15日に終了しており、新たな協約を結ぶための交渉が行われていました。経営者側は、選手人件費がリーグ全体の収益の76%を占めている現状を変え、サラリーキャップ制度を導入したい意向を持っていました。この制度は選手の年俸に上限を設け、例外規定を設けないというものでした。一方、選手会側は経営者の提示する収益の信憑性に疑問を持ち、サラリーキャップの導入を拒否しました。

協約が失効を迎える中、選手会はサラリーキャップに代わる提案をし、経営者との対立は激化しました。最終的には、9月15日にロックアウトが実施され、施設が封鎖されました。

ロックアウトの進展

ロックアウトが始まった後も、交渉は進展せず、2004-2005シーズンの開幕予定日を迎えました。11月3日にはオールスターゲームの中止が発表されるなど、事態は深刻化しました。選手会はサラリーキャップの導入や年俸カットの案を提出するものの、経営者側との意見の隔たりは埋まりませんでした。最終的に、2005年2月にベットマンコミッショナーはシーズンの全試合中止を決定しました。

ロックアウトは長期化し、最終的には2005年7月13日に労使両者が新しい労働協約に合意しました。これにより、310日にわたるロックアウトは終了し、その後選手会は協約を批准しました。

新労働協約の内容

新たな労働協約は大きな変更を伴いました。主な内容は以下の通りです：

• - 全選手の年俸は現在の水準から24%減額される。
• - 年俸総額はリーグの収益の54%以下と設定される。
• - サラリーキャップ制が導入され、2005-2006シーズンの上限は1チームあたり3900万ドルに設定される。
• - 各選手はチームの年俸総額の20%を超える年俸は得られない。
• - 新人選手の年俸の最高額は85万ドルと定められ、フリーエージェント権は入団7年後に取得可能。
• - トップ10チームは利益の再分配を行う義務がある。
• - 選手には冬季オリンピックへの参加が認められる。
• - FA権の取得年齢は段階的に引き下げられる予定。

影響

ロックアウト期間中、カナダのイプソス・リードによる調査では、回答者のうち21%がNHLのオーナーに、52%が選手に責任を感じているとの結果が出ました。また、388人のNHL選手がロシアのKHLなど海外リーグでプレーすることになり、リーグの影響力は一時的に低下しました。

このように、2004-2005年のNHLロックアウトは、リーグの構造や選手との関係性に多大な変化をもたらし、今後の労働協約やリーグ運営に影響を及ぼすこととなりました。

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