2004年カナダ総選挙

2004年カナダ総選挙の概要

2004年6月28日、カナダにおいて行われた総選挙は、下院である庶民院の議席を全面的に改選するためのものでした。この選挙は、当時の首相ポール・マーティンが議会を解散したことから実施されました。民主政権におけるスキャンダルが影響を及ぼし、与党自由党の支持は低下していました。

選挙の背景

ジャン・クレティエン政権時代のスポンサーシップ・スキャンダルにより、自由党の支持率は著しく下がりました。この状況を受けて、政治的空白を狙ったカナダ同盟と進歩保守党が合同し、新たにカナダ保守党を結成しました。この新興保守政党は、特に西部地域での支持を集めており、選挙の結果、政権交代の可能性が取りざたされていました。

それにもかかわらず、自由党は過半数には達しないものの、重要な第1党の地位を維持することに成功しました。これは、選挙戦中の重要な争点が政府の不正疑惑への対応に偏り、政策に関する論争が少なかったことも影響していました。結果として、投票率は過去最低の60.5%にとどまりました。

基本情報

• - 選挙事由: 議会解散
• - 選挙形式: 議会議員選挙
• - 定数: 308議席
• - 選挙制度: 完全小選挙区制
• - 投票資格: 18歳以上のカナダ国民
• - 登録有権者数: 22,466,621名

選挙結果

自由党は、前回の172議席から135議席に減少し、過半数を下回る結果となりましたが、なお第1党の地位を確保しました。投票者数は13,683,570名で、投票率は60.9%となりました。

一方、カナダ保守党は選挙前の78議席から99議席に増加しましたが、政権奪回に至ることはできず、国政における急激な右旋回を警戒する有権者の心理も影響したと考えられます。

また、社会民主主義の新民主党はわずかに支持を受け、議席を19から24に増加させましたが、十分な成長とは言えませんでした。

ケベック州におけるブロック・ケベコワの躍進

この選挙では、ケベック州におけるブロック・ケベコワが躍進し、34議席から54議席に増加しました。彼らは州の分離独立を主張しており、政治的状況を背景に支持を得た結果といえます。

結論

2004年のカナダ総選挙は、政治的混乱と疑惑に満ちた選挙であり、自由党は第1党としての役割を維持しながらも、過半数を失ったことが特徴的でした。この結果は、今後のカナダの政治シーンにおける動向にも影響を与えることとなりました。

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