2004年中華民国総統選挙

2004年中華民国総統選挙の概要

2004年3月20日、中華民国で第11期の総統および副総統を選出するための選挙が行われました。これは、普通選挙の原則に基づいて実施された3回目の選挙でもあります。選挙の結果、陳水扁候補と呂秀蓮候補の現職ペアが再選を果たしました。

背景

2000年に政権を獲得した陳水扁の政権は、台湾独立の志向が強いとされており、中華人民共和国からは警戒されていました。これにより、対中関係は冷え込み、経済面での問題が顕在化。特に輸出の減少が経済に影響を及ぼしていました。選挙戦の初期には、汎藍勢力が経済の停滞を陳政権の失政と結びつける形で優位に立っていました。

しかし、アメリカ経済の回復に伴う台湾の輸出増加や住民の独立意識の高まりによって、汎緑勢力も支持を伸ばし始めます。特に、二・二八事件の日に行われた台湾独立デモには100万人以上が参加しました。中華人民共和国の軍事的な示威行動も独立派を逆に活気づけ、選挙は緊張感を増していきました。

選挙制度

この総統選挙では、候補者は副総統候補と一緒にペアで出馬します。選挙権は、台湾地区に6か月以上住む20歳以上の中華民国国民に与えられ、在外国民も含まれます。被選挙権は、台湾地区に6か月以上住む中華民国国民で、少なくとも40歳以上である必要があります。立候補するためには、政党からの推薦が求められるか、無所属の場合は特定の署名数を集める必要があります。

候補者と選挙運動

選挙には、陳水扁・呂秀蓮ペア（民進党）と連戦・宋楚瑜ペア（国民党・親民党連合）の2つの候補ペアが参加しました。現職陣営は李登輝前総統の後押しを受け、一方の国民党・親民党は連携して選挙活動を展開しました。

選挙活動は2月21日から始まり、選挙前日には陳水扁らが銃撃される事件が発生。この事件は選挙運動に大きな影響を与えました。選挙は非常に緊迫した状況の中で行われました。

選挙結果

投票は台湾時間の16時に締切られ、即日開票が実施されました。投票率は80.28％、得票数は陳候補が647万1,970票（50.11％）で当選し、連候補は644万2,452票（49.89％）を得るという結果に終わりました。この接戦は歴史的なものであり、票差はわずか2万9,518票でした。

結果発表後、連党側は「選挙無効」や「銃撃事件は自作自演」などと抗議し、抗議デモが続出。これにより選挙管理機関の機能にも支障が出る事態となりました。改めて票の再集計が行われることになりますが、陳水扁は無事に続投が決まりました。

結論

この選挙は台湾の政治における重要な分岐点の一つであり、その結果は今後の政策や対外関係にも大きな影響を与えることになるでしょう。特に、経済や独立問題に関する台湾内外での議論は一層活発になることが予想されます。このように、2004年の総統選挙は、単なる選挙以上の意味合いを持つイベントでした。

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