2005年の世界ツーリングカー選手権

2005年世界ツーリングカー選手権：激闘の軌跡

2005年の[世界ツーリングカー選手権]は、2006年4月10日、イタリアのモンツァ・サーキットで幕を開けました。そして11月20日、マカオ市街地コースで行われた最終戦マカオで、その熱狂的なシーズンに幕を閉じました。

このシリーズは、全10ラウンド、合計20レースという過酷なスケジュールで構成されていました。各ラウンドでは50kmのレースが2回行われ、ドライバーたちは熾烈な争いを繰り広げました。スーパー2000、ディーゼル2000、スーパープロダクションカーなど、多様な車両が参戦し、シリーズに彩りを添えました。

選手権の運営は、ユーロスポーツの子会社であるKSOが担いました。FIAがヨーロッパツーリングカー選手権を世界選手権に昇格させたことで、このシリーズは世界的な規模へと拡大しました。これに伴い、旧来のヨーロッパ選手権は、新たに設立されたヨーロッパツーリングカーカップへと移行することとなりました。

タイヤはミシュランのワンメイクという統一された条件下、各チームはマシン性能を最大限に引き出すための戦略を練り上げ、しのぎを削りました。

複雑でスリリングなポイントシステム

選手権では、ドライバーズ選手権、マニュファクチャラーズ選手権、そしてインディペンデントトロフィーの3つのタイトルが争われました。

ドライバーズ選手権では、各レースの上位8名に、10点から1点までのポイントが順位に応じて与えられました。同ポイントの場合はデッドヒートという方法で順位が決定されました。

マニュファクチャラーズ選手権は、各メーカーの車両のうち、各レースの上位2台のみがポイント対象となりました。もしあるメーカーが1位から4位を独占した場合、3位と4位に入った車両は除外され、5位に入った車両のメーカーに3位分のポイントが与えられるという、独特のルールが採用されました。インディペンデントクラスの車両も同様に除外対象となりました。

インディペンデントトロフィーでは、上位8位まで10点から1点までポイントが与えられ、独立系のチームやドライバーたちの戦いが白熱しました。

予選から決勝まで、息つく間もない展開

各ラウンドの第1レースのスターティンググリッドは、予選の成績順に決定されました。しかし、第2レースは、第1レースの結果を基にグリッドが決定されました。ただし、上位8台はリバースグリッド、つまり順位を逆転させたグリッドからのスタートとなり、予想外の展開を生み出す要因となりました。

このシステムにより、予選で好成績を残したチームも、決勝レースでは戦略的な駆け引きを余儀なくされ、レース展開は最後まで読めない、手に汗握るものとなりました。

2005年シーズンは、各チーム、各ドライバーにとって、技術力、戦略、そして運までもが試される、非常に厳しい、そして記憶に残るシーズンとなったことは間違いありません。様々なドラマが生まれたこのシーズンは、WTCCの歴史に大きな足跡を残しました。

もう一度検索