2005年イギリスグランプリ

2005年イギリスグランプリは、F1世界選手権の第11戦として、シルバーストン・サーキットで熱い戦いを繰り広げました。予選では、フェルナンド・アロンソ（ルノー）がポールポジションを獲得。しかし、キミ・ライコネン（マクラーレン）はエンジン交換によるペナルティで10グリッド降格というアクシデントに見舞われました。ライコネンは本来2番手グリッドを獲得する速さでしたが、予選前のフリープラクティスでエンジンに不調をきたしていたのです。

このペナルティにより、ジェンソン・バトン（BAR）がフロントローを獲得。ホームグランプリということもあり、イギリスのファンは期待に胸を膨らませます。2番手にはファン・パブロ・モントーヤ（マクラーレン）、トゥルーリ（トヨタ）、バリチェロ（フェラーリ）などが続きました。一方、ジョーダンのティアゴ・モンテイロは金曜日のプラクティスでエンジントラブルに見舞われ、予選に参加できず後方からのスタートとなりました。

レースは、3日前に発生したロンドン同時爆破事件の犠牲者を悼む黙祷から始まりました。天候は快晴、気温30℃、路面温度はなんと45℃という過酷なコンディションの中、レースがスタート。スタート直後、佐藤琢磨選手（BAR）がストールするというハプニングが発生し、セーフティーカーが導入される事態となりました。

セーフティーカーがピットインすると、モントーヤが力強い走りでトップに躍り出ます。アロンソが猛追しますが、モントーヤは巧みなドライビングでリードを守ります。レース中盤、各車がピットストップを行う中、モントーヤは予定外の早めのピットストップを選択。しかし、この戦略が功を奏し、トップをキープすることに成功します。

ピットストップ後のレース終盤では、ライコネンが驚異的な追い上げを見せます。そして、ライコネンはフィジケラ（ルノー）のエンジンストールという幸運にも助けられ、3位に浮上します。一方、アロンソは、トゥルーリとのバトルで若干タイムロスをしてしまい、モントーヤとの差を縮めることができませんでした。

そして、ついにチェッカーフラッグ。モントーヤがマクラーレンでの初優勝を飾ります。アロンソが2位、ライコネンが3位という結果に。モントーヤはアロンソに2.7秒差をつけ、圧倒的な勝利を収めました。ライコネンは、ペナルティからの逆転劇でファステストラップも記録するなど、その実力を見せつけました。

このレースでは、ジョーダンのナレイン・カーティケヤン選手が電装系のトラブルでリタイアしたのみで、その他のドライバーは完走。激しい接戦と、ドラマチックな展開で多くのファンを魅了したイギリスグランプリとなりました。この結果、アロンソは選手権ポイントを伸ばし、ライコネンとの差を広げます。コンストラクターズ選手権でも、マクラーレンがルノーとの差を縮めるなど、順位に変動が見られました。このイギリスグランプリは、2005年シーズンの戦いをさらに盛り上げる、記憶に残るレースとなりました。

もう一度検索