2006年カナダ総選挙

2006年カナダ総選挙の概要

2006年1月28日、カナダにおいて行われた総選挙は、カナダ議会の下院における議員を全面的に改選する重要な機会となりました。この選挙は、ポール・マーティン政権に対する不信任案が可決されたことを受けて実施されました。このため、2005年11月28日にマーティン首相が議会を解散し、選挙が行われることとなりました。

一般的にカナダでは、冬の寒さを避けるために総選挙は春から秋にかけて行われるのが通例です。しかし、2006年の選挙は、特に厳しい冬の中で実施された珍しいケースでした。実に109年ぶりに1月に投票が行われることとなり、これはカナダの選挙史においても特異な出来事でした。冬の寒さにもかかわらず、人々は投票所に足を運びました。

選挙の基礎データ

この選挙における議会解散の理由は、マーティン政権への不信任が直接のきっかけです。以下は、選挙に関する基礎データです。

• - 議席数: 308議席
• - 選挙制度: 完全小選挙区制
• - 選挙権: 18歳以上のカナダ市民
• - 被選挙権: 18歳以上のカナダ市民
• - 登録有権者数: 23,054,615名（前回は22,466,621名）

投票者数は14,908,703名に達し、これにより投票率は64.7%という結果に。前回の投票率60.9%から改善が見られました。

選挙結果と政権交代

選挙は、保守系政党であるカナダ保守党の勝利に終わりました。カナダ保守党は124議席を獲得し、前回よりも25議席増加しました。一方、与党として長年君臨していたリベラル系の自由党は、103議席にとどまり、32議席減少しました。また、社会民主主義を基本とする新民主党は29議席を獲得し、前回よりも10議席増加しました。ケベック州の独立を主張するブロック・ケベコワは51議席を獲得しましたが、3議席減少しています。

選挙の結果により、スティーブン・ハーパーを首相とする保守党政権が誕生し、1993年以来続いていた自由党政権は幕を下ろしました。具体的には、スポンサーシップ・スキャンダルが自由党の支持率に大きな影響を与えたとされています。このスキャンダルでは、ケベック州における政府補助金が不正に利用された疑惑が報じられ、自由党に対する信頼が低下しました。さらに、ハーパーは自身のイメージ戦略を転換し、同性婚を含む重要な法案については議員の自由投票を選択するなど、従来の保守党のイメージを緩和する取り組みを行いました。

このような背景が相まって、カナダは新たな政権を迎えることとなり、政治の流れが大きく変わるきっかけとなったのです。2006年の総選挙は、カナダの民主主義における重要な瞬間であり、今後の政治業界に多くの影響を与えることとなりました。

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