2007年ギリシャ山林火災

2007年ギリシャ山林火災：自然と人為が引き起こした複合災害

2007年の夏、ギリシャは大規模な山林火災に見舞われました。特にギリシャ南部で発生した多数の火災が広範囲に拡大し、その総面積は香川県に匹敵するほどでした。この火災は、自然発火に加え、再開発を目的とした放火が原因の一つとされています。

火災の原因：自然発火と悪質な放火

一部は自然発火によるものと見られていますが、再開発事業者が「地上げ」のために放火した疑いが指摘されています。ギリシャ政府は放火犯を「テロリスト」とみなし、反テロ法を適用して厳しく取り締まりました。数十名が身柄を拘束される事態となっています。また、放火の手口として、生きたウサギに油を染み込ませた布を巻き付け、火をつけて山に放つという残虐な行為も報告されており、動物愛護の観点からも強い非難が起きました。

火災の経過と甚大な被害

2007年夏、ヨーロッパ南東部は6月下旬と7月下旬に記録的な熱波に見舞われました。ギリシャも例外ではなく、6月下旬から少雨が続き、乾燥状態が深刻化していました。地中海性気候のギリシャでは、夏季は通常でも乾燥しやすいのですが、この年は例年以上の乾燥状態が続きました。その結果、6月以降、ギリシャ全域で約3000件もの山火事が発生しました。

8月下旬には、火災が市街地にまで拡大し、ペロポネソス半島やエヴィア島南部などで60人を超える死者を出すという悲惨な状況となりました。古代オリンピックの舞台であるオリンピアなどの文化財も被害を受けました。

この時期のヨーロッパ南部の熱波は、数年～数十年周期の気候変動の影響を受けていると考えられています。さらに、その背景には地球温暖化による気候変動があるとの指摘もなされています。地球温暖化が、山火事の発生しやすい環境を助長している可能性も否定できません。

類似の災害

* 2018年アッティカ山火事

まとめ

2007年のギリシャ山林火災は、自然条件と人為的な要因が重なり合って発生した複合災害でした。気候変動の影響を受けやすい現代において、同様の災害が再び起こる可能性も考慮し、今後の対策を検討する必要があります。また、放火という悪質な犯罪に対しては、厳罰化を含めた断固たる措置が求められます。

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