2008 TS26

2008 TS26

2008 TS26は、太陽系小天体の分類において、地球近傍小惑星の中でもアポロ群に属する天体です。この小惑星は、その極めて小さなサイズによって特筆されます。

特徴

2008 TS26の絶対等級は33.2等級と測定されています。この絶対等級の値から、発見されている既知の天体の中で、最も直径が小さい部類に属すると推定されています。

小惑星の正確な直径を知るためには、その表面の光の反射率を示す「アルベド」の値が必要となります。アルベドが不明なため、正確な直径は断定できませんが、多くの地球近傍小惑星で用いられる標準的なアルベドの値（0.13）を仮定して計算すると、その直径はわずか84センチメートルという驚くほど小さな値となります。これは、これまでに発見された天体としては極めて珍しい微小サイズです。

発見の経緯

このような微小な天体が発見に至ったのは、偶然による特殊な状況があったためです。2008年10月9日の発見当日、2008 TS26は地球に異常なほど接近して通過しました。具体的には、地球の中心からわずか1万2500キロメートル（これは地球の半径のおよそ2倍に相当します）という、非常に近い距離を通過したのです。この近接通過によって、通常は観測が困難なほど暗い微小天体が、一時的に明るく見え、観測可能な状態となりました。

ちなみに、この接近の際、月には約39万4000キロメートルの距離まで接近しています。

観測と軌道情報

2008 TS26は、その極めて小さなサイズゆえに、地球へ最接近して最も明るくなった時でさえ、視等級は15.5等級にしか達しませんでした。これは、通常の観測装置では捉えにくい暗さです。

観測可能な期間も短く、位置が観測されたのは合計でわずか20回に留まりました。このように観測データが非常に少ないため、この小惑星の精密な軌道要素を特定することは難しく、現在得られている軌道計算は比較的「大雑把」なものとなっています。

既知の軌道情報によると、2008 TS26の軌道と地球軌道との間の最小距離（EMoid: Earth Minimum Orbit Intersection Distance）は約1万900キロメートルと計算されています。

関連項目

* 2011 CQ1

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