2008年のアメリカン・ル・マン・シリーズ

2008年の[アメリカン・ル・マン・シリーズ]は、シリーズ開始から10年目を迎えたシーズンでした。3月15日のセブリング12時間レースを皮切りに、10月18日のモントレー・スポーツカー・チャンピオンシップまで、全11戦に渡り激戦が繰り広げられました。

このシーズン、アウディ・スポーツ・ノースアメリカはLMP1クラスで圧倒的な強さを発揮しました。第6戦ミッドオハイオで、チームは早くもLMP1クラスのタイトルを獲得。さらに、ドライバーのマルコ・ヴェルナーとルーカス・ルハーも第9戦デトロイトでドライバーズタイトルを確定させました。ルハーは5度目、ヴェルナーは4度目の栄冠となりました。

GTクラスでは、GT1タイトルをヤン・マグヌッセンとジョニー・オコーネルのペアが第10戦プチ・ル・マンで獲得。オコーネルにとっては4度目のGT1タイトル獲得となりました。GT2クラスでは、ヨルグ・ベルグマイスターとウォルフ・ヘンツラーが優勝し、ベルグマイスターは3度目のGT2タイトルを獲得しました。

当初、4月26日に開催予定だったローンスター・グランプリは、チャンプカー・ワールド・シリーズとインディ・レーシング・リーグの合併に伴い、サポートレースとして予定されていたためキャンセルとなりました。この合併とそれに伴うレース変更は、シリーズのスケジュールに影響を与えた重要な出来事でした。

各クラスのランキングは、それぞれのクラスの優勝者の走行距離の70％以上を完走した上位10台のドライバーと車両にポイントが与えられる方式でした。ル・マン・シリーズと異なり、複数台エントリーしたチームは、最上位車両のポイントのみがチームポイントとして加算されました。ドライバーズランキングでは、各レースで最低45分以上のドライブがポイント獲得の条件でしたが、ロングビーチは30分と短縮されました。また、一部ドライバーには、接触事故に対するペナルティが適用されました。フランク・ビエラとエマニュエル・ピロは回避可能な接触事故を起こしたため3ポイント減点、サッシャ・マーセンとパトリック・ロングも同様の理由で3ポイント減点されました。

いくつかのチームは、パートタイム参戦を選択しました。チーム・サイトスポーツはル・マン・シリーズおよびル・マン24時間レースへの参戦を優先し、ALMSへの復帰はミッドオハイオからとしました。チームECOは、ディーゼルエンジン搭載のラディカル・SR10 LMP1の投入を予定していましたが、ホモロゲーションの問題によりミッドオハイオまでデビューが遅れました。オートコン・モータースポーツは、ストリートコースの多くを回避し、ル・マン24時間レースに集中するパートタイム参戦を選択しました。

2008年6月24日、ALMSは環境への配慮を示す取り組みとして「グリーンチャレンジ」を発表しました。この取り組みは、プチ・ル・マンから開始され、2009年シーズンまで継続されました。ALMSは、合衆国環境保護庁、合衆国エネルギー省、SAEインターナショナルによって「グリーン・レーシング・シリーズ」として認証された、北米初のレースシリーズとなりました。全てのチームが「グリーンチャレンジ」に適合し、ポイントシステムは通常のALMSのシステムと同じでしたが、チームはシーズン最高のポイントからスタートし、車両の性能に基づいてポイントが減算されるという独自の方式が採用されました。シーズン終了時に最も少ないポイントのチームが「グリーンチャレンジ」のシーズンチャンピオンとなりました。

2008年シーズンのALMSは、タイトル争いだけでなく、レーススケジュールの変更や環境保護への取り組みなど、様々な出来事が発生した、記憶に残るシーズンとなりました。

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