2008年の全日本F3選手権

2008年全日本F3選手権の概要

2008年の全日本F3選手権は、4月5日から6日にかけて富士スピードウェイで開幕し、9月20日から21日にスポーツランドSUGOで閉幕しました。このシーズンは全18戦が行われ、全日本F3の魅力と競技の進化が見られた年でした。

1. 前年度からの主な変更点

1.1 ナショナルクラスの創設

2008年シーズンで特記すべきは、ナショナルクラスの新設です。従来の全日本F3選手権では最新型のマシンが使用されていましたが、ナショナルクラスが導入されることで、1世代古いモデル（例えば、ダラーラF307やF306）が使用可能となり、ワンメイクエンジンとしてトヨタの3S-GEが採用されました。この変更により、低コストながらF3に参加する選手が増え、シリーズ全体の活性化が促されました。ナショナルクラスと全日本選手権クラスの混走が実現し、多様な競技スタイルが見られるようになりました。

1.2 予選方式の変更

ナショナルクラスの導入に伴い、予選の方式も変更されました。開催ごとに主催者が選択する以下の2つの予選方式が設けられました。1つめは、土曜日に全日本選手権クラスのための20分間の公式予選を1回、ナショナルクラスのための15分間の公式予選を1回行う方法です。2つめは、公式予選30分間を1回行い、そのうち最初の20分間は両クラスの混走、20分を過ぎると全日本選手権クラスの専用走行となります。この結果、セカンドタイムで第1レースのグリッドが決まり、ベストタイムで第2レースのグリッドが決定されます。

1.3 ポイントシステムの改訂

これまでの有効ポイント制度は廃止され、新たに全戦で獲得したポイントがそのまま有効となりました。この変更は、選手やチームにとってよりシンプルで公平な評価につながります。

1.4 スキッドブロック規定の採用

全日本F3においても、FIAの規定が導入され、F1やフォーミュラ・ニッポンと同様に木材製のスキッドブロックが使用されるようになりました。これにより、マシンの安全性や競技の公正性が一層強化されました。

2. その他の重要な変更

トムスは、全日本F3選手権向けのエンジンを全て1AZ-FEに変更しました。また、同年唯一のエンジンチューナーであるハナシマレーシングにもエンジンの供給を開始し、ナショナルクラスでは3S-GEが使用される形となりました。ホンダ陣営については、前年末でM-TECが活動を休止し、戸田レーシングが全てのエンジンをチューニングすることになりました。

3. エントリーリストとシリーズの結果

エントリーリストには多くの注目選手が名を連ね、競技のスタートに向けた期待が高まりました。シリーズ全体のスケジュールや勝者たち、チームやドライバー部門でのランキングも非常に興味深いものでした。

このように、2008年の全日本F3選手権は、ナショナルクラスの導入や予選方式の変更、新しいポイントシステムの採用など、競技運営に様々な革新をもたらしました。これにより、選手たちの競技レベルの向上が図られ、シリーズとしての魅力が一層増す結果となったのです。

もう一度検索