M-TEC

株式会社M-TEC (M-TEC Co., Ltd.)

株式会社M-TECは、日本を拠点にホンダ車のためのアフターパーツを製造・販売する企業であり、レース用エンジンの開発・製造も手掛けています。2003年に設立され、以来モータースポーツシーンにおいて高い評価を受けてきました。

概要

M-TECの前身は「株式会社無限」であり、2004年には無限の業務がほぼ全てM-TECに譲渡されました。現在でも無限は存在しており、M-TECとは『無限』ブランドの使用契約を結んでいます。これにより、無限の商標は今も無限が保持し、M-TECがそのブランドを独占的に使用します。興味深いことに、創業者の本田博俊は本田技研工業の創業者本田宗一郎の息子であり、M-TECとホンダとの関係は深いものがあります。無限のオフィスは本田技術研究所の近くに位置し、ホンダの技術者がそこでの勤務を終えた後、M-TECで開発作業を続けることも少なくありませんでした。

沿革

無限の歴史

1973年に本田宗一郎の長男、本田博俊により無限が設立され、初期にはホンダの二輪車および四輪車のチューニングパーツを開発・販売していました。特に1992年から1993年にかけてF1への進出を果たし、いくつかのチームへエンジン供給を行いました。1996年のモナコGPでは、無限エンジンを搭載した車両が初勝利を収め、名を馳せました。その後2000年にF1参戦を終了し、2004年にはM-TECにその業務を譲渡しました。

M-TECの設立

2003年に設立されたM-TECは、無限からの業務譲渡によりレース用エンジンの開発と製造、ホンダ車用アフターパーツの市場拡大を目指しました。主な業務にはレース用エンジンの供給、ホンダ車向けのアフターパーツの開発・販売、さらには自社パーツを用いた車両の販売が含まれます。

主な業務

M-TECが扱うレース用エンジンには、F3、SUPER GT、F3000など、多様なカテゴリのエンジンが存在します。また、アフターマーケットパーツの開発にも力を入れており、ホンダ車の性能向上を図っています。

近年では、競技用電動オートバイ『神電』を開発し、マン島TTレースに出場するなど、革新的な挑戦も続けています。さらにFormula Nippon（スーパーフォーミュラ）においても数度のタイトル獲得を挙げ、レースシーンでの存在感を示しています。

F1への挑戦

無限時代から続くF1への挑戦も見逃せません。無限は1990年代から数年間にわたり、F1用エンジンの開発・供給を行い、そのエンジンは多くの成功を収めました。特に、1998年にはジョーダンチームにエンジン供給を行い、数回の優勝を果たしましたが、2000年にホンダがF1に戻ることが決まり、無限のF1活動は終了しました。

まとめ

株式会社M-TECは、豊富な歴史を持つ無限から新たな展開を見せつつ、多様なモータースポーツの分野で活躍しています。ホンダ車のアフターパーツやレース用エンジンの開発に加えて、将来的な革新に向けての取り組みも続けており、今後の更なる成長が期待されます。

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