2008年イタリアグランプリ

2008年イタリアグランプリ概要

2008年9月12日から14日までの間、イタリアのモンツァにて開催された2008年F1世界選手権第14戦、正式には「2008 FORMULA1 Gran Premio d'Italia 2008」と称されます。モンツァはその特徴的なハイスピードコースとして知られていますが、今年のレースは特に悪天候に悩まされました。この雨が予選と決勝の展開に大きな影響を与えることになりました。

予選の展開

Q1

雨が降りしきる中で行われたQ1では、ルーベンス・バリチェロ、ネルソン・ピケJr.、中嶋一貴、ジェンソン・バトン、エイドリアン・スーティルの5名が予選から脱落しました。ここではまだ、大きな波乱の兆しは見えませんでした。

Q2

Q2では、例年の常連とされるドライバーがスムーズに進出しましたが、予想外の事態が発生しました。ランキング首位のルイス・ハミルトンは浅溝タイヤを選択したことが災いし、15位に沈む結果となり、この時点でチャンピオンシップ争いに不安が訪れました。また、ランキング3位のキミ・ライコネンは遅れて出走し14位、4位のロバート・クビサは悪天候の影響で11位にとどまるなど、上位陣にとっては厳しい結果が続きました。最後に、フェリペ・マッサはギリギリで10位となり、辛うじてQ3へ進出しました。

Q3

Q3に入ると、予選トップ通過のセバスチャン・ベッテルが、その流れを維持しつつポールポジションを獲得しました。彼はこの時、わずか21歳72日であり、F1史上最年少のポール獲得を果たしました。また、チームメイトのセバスチャン・ブルデーも4位とまずまずの結果を残します。雨の中で晴れのセッティングを上手く活用し、彼ら２人が好成績を得ました。

決勝のバトル

決勝は強い雨の中で行われ、エクストリーム・ウェットタイヤの装着が義務とされました。レースはセーフティカーが先導する形でスタートしました。序盤は予選4位で進出したブルデーがエンジンストールを起こし周回遅れとなり、さらにジャンカルロ・フィジケラがリタイアするという波乱がありましたが、その他は比較的順調に進行。

ポールポジションのベッテルは、その序盤で築いたリードを有効に使い、最初のタイヤ交換を除き常に1位をキープしました。最終的には、彼は最年少の21歳73日で優勝を果たすことに成功しました。2位にはハミルトンのチームメイト、ヘイッキ・コバライネンが、12秒以上遅れて続き、3位には予選で不運だったクビサが見事すり抜けてきました。

マッサは6位、ハミルトンは7位といった位置に終わり、ランキング上位者にとっては厳しい結果の多いレースとなりました。ライコネンに至っては最後のファステストラップを奪ったものの、ポイント獲得には至らない9位に終わりました。

このレースは、新星ベッテルの優勝だけでなく、トロ・ロッソにとっての初優勝をもたらし、彼はさらにF1史上特に若い勝者として名を刻みました。また、表彰台に登った3名すべてが今季の初勝利を収めており、若手ドライバーの台頭を感じさせるものでした。今回の表彰台には、ドイツ、フィンランド、ポーランドの国旗が揚がり、国歌演奏も同様に流れました。

結果

このレースでは、何かと記録づくめの出来事が続きました。若手ドライバーが次世代を担う期待を感じさせる中、モンツァの特性と天候が交錯したことで印象深い瞬間が刻まれたことは間違いありません。

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