2009年ヨーロッパグランプリ

2009年ヨーロッパグランプリの詳細

2009年のヨーロッパグランプリは、F1世界選手権の第11戦として、8月23日にスペインのバレンシア市街地コースで開催されました。このレースの正式名称は「2009 FORMULA1 Telefónica Grand Prix of Europe」です。

開催前の動向

レースに先立って、フェラーリはハンガリーグランプリで負傷したフェリペ・マッサに代わり、テストドライバーのルカ・バドエルが約10年ぶりのグランプリ参戦を果たしました。また、ルノーはハンガリーGP終了後にネルソン・ピケをロマン・グロージャンに交代することを発表しました。

予選の様子

Q1

気温30℃、路面温度44℃という条件下で、予選が始まりました。フェラーリのバドエルが先頭に立ち、予選アタックを開始。トロ・ロッソのセバスチャン・ブエミがトップタイムを刻みますが、マクラーレンのヘイッキ・コバライネンやルイス・ハミルトンといったドライバーが次々とトップタイムを更新しました。残り3分ではウィリアムズの中嶋一貴がマシントラブルに見舞われ、マシンを停止。中嶋はこの結果、Q1敗退が決定しました。バドエルは19番手で最下位となり、ノックアウトされました。

Q2

気温は30℃、路面温度47℃、湿度64％の条件で、フェラーリのライコネンが1'38.823をマーク。さらに様々なドライバーがタイムを更新する中、アロンソは最終アタックで8番手に滑り込みました。BMWザウバーやトロ・ロッソなどがQ2で敗退しました。

Q3

Q3では、BMWのクビサがターゲットタイムを出し、ハミルトンが1'39.498でポール・ポジションを獲得しました。マクラーレンのコバライネンが2位に続き、フロントローを独占。ハミルトンは中国GP以来のポール獲得となりました。

決勝のレース展開

決勝レースは、気温31℃、路面温度47℃、湿度56％という条件でスタート。各チームは異なるタイヤ戦略を採用しました。スタート直後、上位3台の順位は変わりませんでしたが、ライコネンがKERSを利用して6番手から4番手に上昇しました。一方、バトンは8番手まで順位を下げました。

接触やトラブルが相次ぎ、グロージャンやトゥルーリもピットインを余儀なくされました。トップに立ったハミルトンは早い段階でピットインし、再びコースに復帰。次々とピットインする中、ライコネンやバリチェロらがファステストラップを狙いました。

クライマックス

レース終盤、ハミルトンのピットイン時にミスコミュニケーションが発生し、タイヤ交換に時間がかかる場面もありました。その隙にバリチェロがトップに立ち、最終的にチェッカーを受けました。バリチェロは2004年以来5年ぶりの優勝であり、フェラーリ以外のチームとしては初めての勝利となりました。

最終結果

1位はバリチェロ、2位がハミルトン、3位にライコネンが続きました。コバライネン、ロズベルク、アロンソ、バトンといったドライバーが続き、ポイントを獲得しました。コンストラクターズ2位のレッドブルは、ベッテルがリタイヤし、ウェバーがピットストップのタイミングでノーポイントとなりました。

このレースは多くのドラマをもたらし、特にバリチェロの勝利は大会のクライマックスとして記憶されることでしょう。

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