2009年中国グランプリ

2009年中国グランプリの詳細

2009年4月19日に開催された2009年中国グランプリは、F1世界選手権の第3戦であり、上海インターナショナルサーキットを舞台に行われました。前年の2004年よりこの地でのレースが始まりましたが、今シーズンは例年とは異なり、序盤に行われることが決定されました。

開催前の準備

レース前には、運動エネルギー回収システム（KERS）の搭載が注目されていました。最初はマクラーレンとBMWザウバー、ルノーの6台が搭載すると予想されていましたが、最終的にはマクラーレンの2台とBMWザウバーのニック・ハイドフェルドの3台のみがKERSを使用。フェラーリは開幕からのレースでKERSを使用せず、この中国GPでは搭載しませんでした。また、ドライタイヤはスーパーソフトとミディアムが持ち込まれました。

さらに、FIA国際控訴裁判所は、トヨタ、ウィリアムズ、ブラウンGPのダブルディフューザーが合法であると発表。これにより、マクラーレンのルイス・ハミルトンやルノーのフェルナンド・アロンソもダブルディフューザーを搭載していました。

予選の概要

土曜日のフリー走行の後、トヨタのティモ・グロックはギアボックスの交換が必要となり、決勝ではグリッド降格が確定しました。レース当日は気温24℃、路面温度38℃の条件下で予選が進行。Q1では、フォース・インディアのジャンカルロ・フィジケラがトップに立つ中、ブラウンGPやレッドブルが次々にタイムを更新。Q1を通過できなかったのは、ブルデー、ネルソン・ピケ、ニック・ハイドフェルドでした。

Q2では、ウィリアムズの2台から始まり、セバスチャン・ベッテルが最後にアタックに参加し、トップタイムをマーク。Q3ではロズベルグがターゲットタイムを設定。ベッテルはわずか1回のアタックでポールポジションを獲得し、アロンソが2位に続きました。

決勝の展開

決勝は雨によってセーフティーカーによるスタートとなりました。マシンの一部はアクアプレーニングを起こし、厳しい状況で4周目からピットインを開始。5周目にはロズベルグ、7周目にはアロンソがピットインし、苦しい位置からスタートしました。レースは9周目から再開され、上位勢は速いペースで周回を重ねていきましたが、ハミルトンやハイドフェルドはトラブルに見舞われました。特に、ハミルトンはコースオフの影響で順位を大きく落としました。

レッドブルのベッテルは、ファステストラップを記録しながら次第にリードを広げていきます。19周目にはクビサの追突事故が発生し、これによりセーフティーカーが再度導入。その後、ハミルトンがスピンするなど波乱の展開が続き、最終的にはベッテルが2勝目を達成、ウェバーとのレッドブルのワンツーフィニッシュが確定しました。バトンは3位に。しかし、フェラーリはこのレースで28年ぶりに開幕3戦連続ポイントなしとなってしまいました。

このレースは、若手ドライバーの力とチーム戦略が試される一戦であり、F1の魅力を再確認させる内容となりました。

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