2009年欧州議会議員選挙 (フランス)

2009年フランス欧州議会議員選挙：低投票率と政党の勢力図

2009年6月7日、フランス共和国では欧州議会議員選挙が行われました。これは、欧州連合（EU）の立法機関である欧州議会の議員を選出する選挙で、1979年の初実施以来7回目にあたります。本稿では、この選挙におけるフランスの状況について詳細に見ていきます。

選挙の背景と概要

この選挙は、EU加盟27カ国で同時に行われ、フランスでは72議席を35の政党および連合が争いました。しかし、国民の関心は低く、投票率は40.63％と5割を大きく下回る結果となりました。これは、欧州議会選挙が国内政治に直接影響を与えるという認識が国民に不足していたことや、欧州議会そのものの存在感の低さが要因として考えられます。

選挙制度と基礎データ

フランスの選挙制度は比例代表制（拘束名簿式）が採用されました。全国は「ユーロ圏」と呼ばれる8つのブロックに分割され、各ブロックで比例代表で議員が選出されました。有権者は18歳以上のEU市民、立候補者は23歳以上のEU市民に限られました。

改選議席数: 72議席
選挙権年齢: 18歳以上
被選挙権年齢: 23歳以上
登録有権者数: 4,428万2,823名
選挙区: ユーロ圏（8ブロック）
議席阻止条項: 有効投票の5％以上

選挙結果と政党の動向

有効投票数は1,721万8,614票にのぼり、投票総数の95.70％を占めました。しかし、投票率の低さは各政党の得票数にも影響を与えました。選挙の結果、既存の政党勢力に大きな変化はみられませんでしたが、個々の政党の得票率には変動がありました。左翼戦線（フランス共産党、左翼党、ユニテリアン左翼など）や、リベルタス（フランスのための運動、狩猟、釣り、自然、伝統など）といった連合組織も選挙戦に臨みましたが、大きな躍進とはなりませんでした。

投票率の低さは、国民が欧州議会やEUの政策にどれほど関心を持っているのか、そして、国民が自らの投票が政治に影響を与えるとどの程度信じているのかを反映していると考えられます。また、選挙制度や政党システムについても、国民の政治参加意欲を高めるための議論が必要となるでしょう。

まとめ

2009年フランス欧州議会議員選挙は、低投票率という結果に終わったものの、フランスの政治状況や国民のEUへの関わり方を理解する上で重要な選挙でした。この選挙の結果は、今後のフランスの政治、そしてEUの政策決定に少なからず影響を与えたと言えるでしょう。今後の欧州議会選挙では、国民の投票率向上に向けた取り組みが課題として挙げられます。

注記: 得票率1％未満の政党・連合のデータは除外しました。

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