2009年欧州議会議員選挙 (ポルトガル)

2009年ポルトガル共和国欧州議会議員選挙：選挙結果と分析

2009年6月7日、ポルトガル共和国では欧州議会議員選挙が実施されました。本稿では、この選挙における結果と、その背景にある要因を分析します。

選挙の概要

ポルトガルは、欧州連合（EU）に加盟する27か国の一つであり、欧州議会の議員を22名選出します。議員の任期は5年です。

今回の選挙は、全国を1つの選挙区として、比例代表制によって行われました。有権者数は9,704,559名にのぼり、投票は政党リストの中から1つを選択する方式でした。議席配分は、ドント方式を用いて全国単位で集計された得票数に基づいて決定され、議席阻止条項はありませんでした。

選挙結果

選挙当日の投票率は36.78％と、やや低めの数値となりました。これは、ポルトガル国民の欧州議会選挙への関心の低さ、あるいは政治不信の表れとも考えられます。

選挙の結果、社会民主党（PSD）が最大勢力となり、複数議席を獲得しました。一方、社会党（PS）も議席を獲得しましたが、PSDには及ばない結果となりました。左翼政党であるポルトガル共産党（PCP）と緑の党（PEV）は、統一民主同盟を結成して選挙に臨みましたが、議席獲得には至りませんでした。

その他の政党や候補者連合も選挙に参加しましたが、いずれも議席獲得には至らず、その得票数は「その他の政党」としてまとめて集計されました。

選挙結果に影響を与えた要因

今回の選挙結果に影響を与えた要因としては、以下の点が挙げられます。

世界的な経済危機の影響: 2008年から始まった世界的な経済危機は、ポルトガル経済にも大きな影響を与えました。この経済状況が、国民の政治への関心や投票行動に影響を与えた可能性があります。
政党への不信感: 長期にわたる政治的停滞や、政党政治への不信感が、投票率の低さや、特定の政党への集中を阻害した可能性があります。
EUへの関心の低さ: ポルトガル国民の一部には、EUや欧州議会への関心が低い層が存在します。このことが、投票率の低さに繋がった可能性があります。

まとめ

2009年ポルトガル共和国欧州議会議員選挙は、低投票率の中、社会民主党（PSD）が最大勢力となりました。経済危機や政治不信、EUへの関心の低さなどが、選挙結果に影響を与えたと考えられます。今回の選挙結果は、ポルトガルの政治状況や、国民のEUへの意識を理解する上で重要な示唆を与えてくれます。今後のポルトガル政治の動向に注目していく必要があります。

参考文献

馬場康雄、平島健司編『ヨーロッパ政治ハンドブック』東京大学出版会
西平重喜著『各国の選挙　変遷と実情』木鐸社
CNE Resultados Eleitorais。国民選挙委員会（CNE）の選挙データ検索サイト。第三共和政以降のポルトガル共和国における国政と地方選挙の詳細な選挙結果が検索できます。

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