2009年欧州議会議員選挙 (ポーランド)

2009年ポーランド欧州議会議員選挙：低投票率の中で躍進した与党と野党

2009年6月7日に行われた欧州議会議員選挙は、ポーランドにおいても大きな政治的転換点となりました。本稿では、ポーランドにおける選挙結果と背景について詳細に解説します。

低投票率に終わった選挙

まず特筆すべきは、予想を下回る低投票率です。登録有権者数3056万5272名に対し、投票者数は749万7296名、投票率はわずか24.53％にとどまりました。これは、国民の欧州議会への関心の低さを示唆しており、政治的無関心の高まりが懸念されます。

選挙制度

ポーランドにおける欧州議会議員選挙は、比例代表制（非拘束名簿式）を採用しています。全国で得票を集計し、有効票の5％以上を獲得した政党に、ドント方式で議席が配分されます。ポーランドには50議席（前回より4議席減）が割り当てられ、13選挙区に配分されました。議席配分は、まず全国レベルでの得票数に基づいて行われ、その後、各選挙区の得票数も考慮して調整されます。複雑な計算式を経て、各選挙区への議席配分が決定されます。

選挙の結果：与党と野党の躍進

低投票率にも関わらず、選挙の結果は大きな変化をもたらしました。中道右派政党で与党の市民プラットフォーム（PO）と、右派政党で野党の「法と正義」（PiS）が、前回選挙に比べて得票数と議席数を大幅に伸ばしました。これは、両政党が有権者の支持を集めたことを示しており、政治状況の変化を反映していると考えられます。 具体的な得票数や議席数は資料に依存するため、ここでは割愛しますが、両党の躍進が選挙結果の大きな特徴と言えるでしょう。

選挙の背景

投票率の低さの原因としては、国民の欧州議会への関心の低さや、政治不信の蔓延などが考えられます。欧州議会が国民生活に直接影響を与える政策決定機関として認識されていないこと、また政治家に対する不信感の高まりも、投票率の低さに繋がった要因の一つと考えられます。さらに、選挙時期や選挙運動のあり方なども、投票率に影響を与えた可能性があります。

まとめ

2009年ポーランド欧州議会議員選挙は、低投票率という結果に終わったものの、与党と野党の議席獲得数の増加という、政治状況の変化を反映した重要な選挙でした。この選挙の結果は、今後のポーランドの政治動向に大きな影響を与えることでしょう。 国民の政治参加を促進し、欧州議会への関心を高めるための政策が必要であると同時に、政治不信の払拭も喫緊の課題と言えるでしょう。今後のポーランドの政治状況を注視していく必要があります。

参考文献

* ポスト社会主義国の選挙・政党データ内のポーランドの選挙・政党データ（xlsファイル）－西南学院大学教員：仙石学作成

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