2011年の日本プロ野球

2011年日本プロ野球：震災と歩んだ激動のシーズン

2011年の日本プロ野球は、東日本大震災という未曽有の災害に見舞われた年でした。開幕延期や節電要請など、社会情勢がシーズンに大きな影響を与えた一方、選手たちは被災地支援にも積極的に取り組みました。

1月の動き：契約更改や新外国人選手の獲得

1月には、各球団で監督との契約更改や、新外国人選手の獲得に関する発表が相次ぎました。千葉ロッテマリーンズは西村徳文監督との契約を更新。福岡ソフトバンクホークスはアレックス・カブレラを獲得し、背番号42を与えました。読売ジャイアンツは長嶋一茂氏を野球振興アドバイザーに任命。日本ハムのダルビッシュ有投手は年俸5億円（前年比1億7000万円増）で契約更改を行い、史上最速・最年少での5億円到達を達成しました。他にも、巨人がブライアン・バニスターを獲得、オリックスがエバン・マクレーンを獲得するなど、チーム強化に向けた動きが活発でした。1月14日には、落合博満氏と皆川睦雄氏が野球殿堂入りを果たしました。1月17日には巨人、19日にはロッテがそれぞれチームスローガンを発表しました。1月28日には阪神がFAでロッテの小林宏之と契約を締結しました。

2月：キャンプインと移籍、訴訟

2月1日、12球団がキャンプイン。沖縄県と宮崎県を中心にキャンプが展開されました。3日には中日がテスト生だったソトを支配下登録。7日にはオリックスの神戸球場が「ほっともっとフィールド神戸」に名称変更されました。13日には工藤公康投手が現役復帰を目指すことを発表。一方、17日には西武の元二軍打撃コーチである大久保博元氏による球団に対する訴訟が提起されました。

3月：震災発生と開幕延期

3月11日、東日本大震災が発生。オープン戦が中止となり、開幕戦も延期されることになりました。15日、12球団代表による臨時の実行委員会が開かれ、セ・リーグは開幕戦を予定通り、パ・リーグは延期という意見が出て、協議が継続されました。震災を受け、節電への協力要請や開幕延期なども検討され、結果的にセ・リーグは3月29日、パ・リーグは4月12日に開幕が延期されました。この間、各球団は被災地支援活動を行いました。3月29日には、楽天の主催試合が甲子園球場で行われることが発表されました。

4月：チャリティーマッチと公式戦開幕

4月2日と3日には、東日本大震災復興支援試合としてプロ野球12球団チャリティーマッチが開催されました。12日、ついにセ・パ両リーグのシーズン公式戦が開幕。巨人対ヤクルト戦では、巨人がフランチャイズ制導入後初の地方球場開幕戦で勝利しました。15日には、金本知憲選手の連続試合出場記録が途切れるなど、いくつかの出来事がありました。

5月～10月：記録達成と様々な出来事

5月以降は、ラミレス選手の連続4番出場記録、小笠原道大選手の通算2000安打達成など、数々の記録が達成されました。また、各地で様々な出来事が起こり、チームの入れ替えやトレード、監督の交代などもありました。特に、震災の影響はシーズンを通して尾を引き、電力事情を考慮した試合日程やナイター開催の自粛など、様々な調整が行われました。 10月には、パ・リーグでソフトバンクが優勝、セ・リーグでは中日が優勝しました。

11月～12月：クライマックスシリーズ、日本シリーズ、オフシーズン

クライマックスシリーズでは、パ・リーグでソフトバンク、セ・リーグで中日が日本シリーズに進出しました。日本シリーズではソフトバンクが中日を4勝3敗で破り、日本一に輝きました。オフシーズンには、多くの選手の移籍や引退、契約更改、新監督就任などが発表されました。また、読売ジャイアンツでは、球団代表の清武英利氏による記者会見（清武の乱）などが大きな話題となりました。

まとめ

2011年の日本プロ野球は、東日本大震災の影響を強く受けながらも、選手たちの努力とファンの支えによってシーズンを完遂しました。震災からの復興と、プロ野球の未来に向けた希望を込めた1年となりました。

もう一度検索