ブライアン・バニスター

ブライアン・バニスター：異色の経歴を持つ元メジャーリーガー

ブライアン・パトリック・バニスター（Brian Patrick Bannister, 1981年2月28日 - ）は、アメリカ合衆国アリゾナ州スコッツデール出身の元プロ野球選手（投手）です。右投右打。現在はMLBのサンフランシスコ・ジャイアンツで投手ディレクターを務めています。

プロ入り前

大学入学前までは二塁手としてプレーしていました。2002年のMLBドラフト45巡目（全体1342位）でボストン・レッドソックスから指名を受けましたが、契約には至りませんでした。翌2003年のMLBドラフト7巡目（全体199位）でニューヨーク・メッツから指名され、プロ入りを果たしました。

メジャーリーグでの活躍

2006年4月5日、メッツでメジャーデビュー。開幕2戦目の先発を任され、6回を3失点に抑えるも勝敗はつきませんでした。4月は5試合に登板し、防御率2.89と好成績を残しましたが、走塁中に肉離れを起こし、戦線離脱を余儀なくされます。リハビリを経て8月25日に先発復帰。シーズン終盤はリリーフとして登板しました。シーズン後、カンザスシティ・ロイヤルズへトレードで移籍。

2007年は、開幕から先発ローテーションの一角を担い、12勝9敗の成績を挙げました。6月（5勝1敗、防御率2.75）と8月（4勝1敗、防御率2.90）には、アメリカンリーグの月間最優秀新人選手賞を受賞するなど、新人王の有力候補として注目を集めました。

読売ジャイアンツでの騒動と引退

2011年1月7日、読売ジャイアンツに1年契約で入団。先発ローテーション入りが期待されていました。しかし、東日本大震災直後の3月15日、原発事故への不安を理由に球団に無断で帰国。再来日の要請にも応じなかったため、4月2日に球団の申請により帰国日付けで制限選手となりました。その後、「いかなる場所でももう野球はやらない」と球団に通告し、4月26日に任意引退選手として公示されました。

引退後の活動

2015年1月13日、古巣レッドソックスのスカウトに就任。同年9月より投球データ分析班のディレクターに転任しました。2017年からは投手コーチ補佐などの役職も務めました。

2019年シーズン後、ピッチング開発担当副社長を務めていましたが解雇され、レッドソックスを離れてサンフランシスコ・ジャイアンツのフロントオフィスに加わりました。2020年シーズンからは、投手ディレクターとして現場に復帰しています。

プレースタイル

平均球速89mph（約143km/h）の速球に加え、カッター、カーブ、スライダー、チェンジアップなど多彩な球種を操ります。2007年から2009年までの与四球率は2.73と、安定した制球力を誇っていました。

一方で、セットポジションでの投球に課題を抱えていました。また、シーズン序盤は好調を維持するものの、スタミナ不足からシーズン中盤以降に調子を落とす傾向がありました。

大学時代は二塁手としてプレーしていたこともあり、打撃力と守備力も平均以上でした。

人物

父親は元プロ野球選手のフロイド・バニスターです。セイバーメトリクスに詳しい選手として知られる一方、大学では芸術学科を専攻し、写真を趣味としています。写真専門誌やニューヨーク・タイムズなどで作品を発表している他、アリゾナでプロ写真家用のスタジオを経営しています。

ブライアン・バニスターは、野球選手としての才能に加え、芸術的な才能も持ち合わせた異色の経歴の持ち主と言えるでしょう。

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