2011年阿久根市長選挙

2011年阿久根市長選挙

2011年1月16日、鹿児島県阿久根市で市長選挙が執行され、新人の西平良将候補が、前市長である竹原信一候補を破り、初当選を果たしました。この選挙は、竹原前市長のリコールに伴って行われたもので、阿久根市の将来を左右する重要な選挙となりました。

選挙の概要

この選挙は、2010年12月5日に行われた市長リコール（解職請求）が成立したことを受けて実施されました。2011年1月9日に告示され、1月16日に投開票が行われました。有権者の関心は非常に高く、投票率は82.39%に達しました。開票作業が進むにつれ、両候補の得票数は接近し、開票率93.57%の時点で、両者ともに7,600票を獲得するという激戦となりました。

立候補者

選挙には、以下の2名が立候補しました。

竹原信一（前市長、再選を目指す）
西平良将（養鶏業、「阿久根市長リコール委員会」監事）

竹原氏は、2期目の途中でリコールにより失職し、再選を目指しました。一方、西平氏は、竹原氏のリコールを主導した民間団体の監事を務めていました。この対照的な背景を持つ2人の候補者による争いが、選挙戦の大きな特徴でした。

選挙結果

選挙の結果は、西平良将氏が竹原信一氏を破り、初当選を果たしました。最終的な投票率は82.39%でした。

選挙の論点

この選挙の最大の争点は、竹原前市長が進めてきた一連の「改革」の内容と、その手法の是非でした。竹原前市長は、議会を開かずに専決処分を繰り返したことが、大きな批判を浴びました。専決処分とは、緊急を要する場合などに、市長が議会の議決を経ずに単独で決定を行うことができる制度ですが、竹原前市長はこれを多用しました。この手法は、総務大臣や鹿児島県知事からも批判され、議会との対立を招きました。

2010年8月には、ようやく議会が開催されましたが、竹原前市長が行った専決処分の多くは、議会で不同意となりました。しかし、竹原前市長は、専決処分は議決に優先するとして、その有効性を主張しました。さらに、議会が市議会の通年開会を規定した条例を制定した際には、「専決処分を阻止するため」として、この条例を期限内に公布せず、施行させないという強硬な姿勢を示しました。

このような竹原前市長の手法に対する批判が高まり、リコール請求が成立しました。2010年12月に行われた市長解職を問う住民投票では、賛成が7,543票、反対が7,145票となり、竹原前市長は失職し、今回の市長選挙が行われることとなりました。

選挙戦において、竹原前市長は専決処分によって行った「改革」を実績としてアピールしました。一方、西平候補は、竹原前市長の手法を批判し、市民との対話を重視する姿勢を打ち出しました。

この選挙は、阿久根市の政治のあり方を問うものであり、市民の関心を集めました。

外部リンク

* 阿久根市 議会・選挙

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