2012年のFIA GT1世界選手権

2012 FIA GT1世界選手権

2012年のFIA GT1世界選手権は、シリーズ3年目のシーズンであり、これまでのGT1レギュレーションからGT3レギュレーションへと変更された重要な年でした。ドライバーズチャンピオンシップとチームチャンピオンシップの2つのタイトルが争われ、世界各国を舞台に全9戦が開催されました。前年度チャンピオンチームのエクシスAMRはエクシス・レーシングと改名して参戦を続けましたが、前年度のドライバーズチャンピオンであるミハエル・クルムとルーカス・ルーアは他のカテゴリーへ移籍しました。

開催概要

シリーズは4月6日、フランスのノガロ・サーキットで開幕し、9月29日、イギリスのドニントン・パークで閉幕しました。開催カレンダーは当初、ヨーロッパラウンドに加え、ブラジル、アルゼンチン、アラブ首長国連邦でのレース開催が予定されていましたが、最終的にはヨーロッパを中心に、ロシアとスロバキアが新たに開催地として加わりました。開幕戦では6つのメーカーと7つの新規参入チームが参戦し、シリーズに大きな変化をもたらしました。

シーズン開幕直前にもカレンダーは変更され、当初予定されていたザントフォールトとサンルイスがキャンセルとなり、スロバキアのアウトードロモ・スロバキア・リンクと韓国インターナショナルサーキットが追加されました。しかし、韓国でのレースは後にキャンセルされ、代わりにスロバキアでの追加開催とニュルブルクリンクでの開催が決定しました。中国での2戦もキャンセルとなりました。

レギュレーションとエントリー

より多くのメーカーの参加を促進するため、FIAとSROグループは新しいレギュレーションを導入しました。当初は「GTワールド」というカテゴリーが設定され、GT1、GT3、改訂版GT2車両の混走が検討されましたが、最終的にはGT3車両のみが採用されることになり、GT3車両は性能向上のためのアップグレードが施されました。タイヤサプライヤーもミシュランからピレリに変更されました。シリーズの名称は変更されず、FIA GT1世界選手権のまま継続されました。

メーカーが支援しなければならないプライベーターチーム数は2から1に減少し、これにより多くのメーカーが参戦することとなりました。当初は7つのチームとメーカーが参戦すると発表されていましたが、最終的にはさらに多くのチームが参加しました。2011年シーズンのチャンピオンチームであるエクシス・レーシングはマクラーレンと提携して参戦し、ミュニッヒ・モータースポーツはメルセデス・ベンツを使用しました。また、Vita4Oneレーシング、ロイター・エンジニアリング、チームWRT、AFコルセといったチームが復帰または新規参戦しました。日産とシボレーはシリーズから撤退しました。

ドライバー

ドライバーラインナップも大きく変化しました。エクシス・レーシングはステフ・デュッセルドルプを継続起用し、フレデリック・マコヴィッキィ、グレゴリー・ドゥムースティエ、アルヴァロ・パレンテといったドライバーが加入しました。ミュニッヒ・モータースポーツはマルク・バッセンとマルクス・ヴィンケルホックを継続起用し、ニッキー・パストレッリとトーマス・イェーガーを起用しました。

Vita4Oneレーシングはミハエル・バルテルスとイェルマー・バーマン、ニコラウス・メイヤー＝メルンホフ、マティアス・ラウダを起用しました。AFコルセはトニ・バイランダー、フィリップ・サラカルダ、フランチェスコ・カステラッチ、エンツォ・イデを起用しました。チームWRTはFIA GT1世界選手権初参戦のドライバー4名を起用しました。エグジム・バンク・チーム・チャイナはベンジャミン・ラリシェとレン・ウェイを起用しました。ヴァルモン・レーシングチーム・ロシアはセルゲイ・アファナーシェフ、アレクシー・バジレヴ、アンドレアス・ツバーを起用しました。サンレッド・エンジニアリングはミロス・パブロヴィッチ、アンディ・ソウセック、マッテオ・クレッソーニ、エマニュエル・モンシーニを起用しました。

まとめ

2012年のFIA GT1世界選手権は、レギュレーション変更、カレンダー変更、多くの新旧チームとドライバーの参加など、多くの変化があったシーズンでした。GT3車両への移行は、シリーズに新たな活気をもたらし、多くの競争を生み出しました。このシーズンは、FIA GT1世界選手権の歴史において重要な転換期となりました。

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