ドニントン・パーク

ドニントン・パーク・サーキット

ドニントン・パーク・サーキットは、イングランドのレスターシャーに位置する名門のレーシングサーキットで、ロンドンから約2時間半の距離にあります。1931年にオープン以来、数多くの名レースがここで行われ、特に1993年のF1ヨーロッパGPが有名です。

歴史

初期の利用と第二次世界大戦

サーキットは1931年に完成し、すぐにトップカテゴリーのレースが行われ始めました。しかし、1939年の第二次世界大戦の勃発により、コースは閉鎖され、軍の車両が一時的に保管される場所として使用されました。

戦後と再生

戦後、サーキットとしての利用が再開されましたが、施設が老朽化していたため、1977年に所有者が変更され、改修が行われました。その結果、F3000やF3選手権といった4輪のトップレースが再び盛況を迎えることになり、2輪では1987年のイギリスGPでは平忠彦がファステストラップを記録するなど、多くの名勝負が繰り広げられました。また、平日の非イベント日にはジム・ラッセル・レーシングスクールも運営されていました。

経営混乱と閉鎖

2000年代に入ると、ドニントン・ベンチャーズ・レジャー・リミテッド（DVLL）が設立され、シルバーストン・サーキットに代わりF1イギリスGPを誘致する計画が立てられました。しかし地元議会からの反対や資金調達の失敗により、工事は中止され、サーキットは2009年に一時閉鎖されました。その後、サーキットは元の所有者に戻り、2010年には再びオープンし、2011年には国際的なレースイベントが行われるようになりました。

現在の運営

現在、ドニントン・パークではイギリスツーリングカー選手権やスーパーバイク世界選手権、世界ツーリングカー選手権など、数多くの国際レースが開催されていますが、高名なロードレース世界選手権（MotoGP）は2010年から開催されていません。2017年1月には、元F1ドライバーのジョナサン・パーマーが率いるモータースポーツ・ビジョン（MSV）が21年間の運営契約を結び、サーキットのさらなる発展が期待されています。

コースと施設の特徴

ドニントン・パークは、緑豊かな丘陵地帯に広がる自然の中に位置しており、煉瓦造りのピットエリアと起伏に富んだコースが特徴です。コースは1977年と1984年に改良され、1993年には観客席も増設されました。路面標準は低摩擦で、特にバイクレースではライダーたちに難しいコンディションが求められ、テクニカルなコーナーも多く存在します。

事故と改修

2009年にはWSBKで大きな事故が発生し、ライダーが重傷を負ったこともあります。また、2010年にはF1開催に向けたレイアウト改修が計画されましたが、資金不足により実現しませんでした。その後、現在の運営会社はコースの復元や安全対策を進め、再び国際的なレースを開催できる状況に復活させました。

その他の施設とイベント

サーキット内には「ドニントン・グランプリ・コレクション」というミュージアムがあり、多くのレーシングカーが展示されています。また、毎年行われる夏の「モンスターズ・オブ・ロック」ロックフェスティバルは、10万人近い観客を集める人気イベントです。

位置とアクセス

ドニントン・パークは、トレント川の南に位置し、ダービーの郵便番号を使用しています。また、近くにはイースト・ミッドランズ空港があり、サーキット上空を飛ぶ航空機を見ることができます。これにより、多くのファンがアクセスしやすい環境が整っています。

ドニントン・パーク・サーキットは、歴史的な背景と数え切れないほどのレースを誇るサーキットであり、モータースポーツファンにとっては特別な場所であり続けています。

もう一度検索