2013年のロードレース世界選手権

2013年FIMロードレース世界選手権：スペイン旋風と激動のシーズン

2013年のFIMロードレース世界選手権は、第65回大会として開催され、数々のドラマと記録的な結果を残しました。ホルヘ・ロレンソが前年度チャンピオンとして臨んだこのシーズンは、Moto2チャンピオンのマルク・マルケスやMoto3チャンピオンのサンドロ・コルテセといった新星たちのMotoGP、Moto2クラスへのステップアップによって、大きな注目を集めました。

最も印象的なのは、3クラス全てでスペイン人ライダーが優勝を果たしたという事実です。MotoGPを制したのはマルク・マルケス、Moto2はポル・エスパルガロ、Moto3はマーベリック・ビニャーレスでした。この結果、全52レース中47レースでスペイン人ライダーが優勝するという圧倒的な強さをみせつけました。スペイン人ライダー以外での優勝は、Moto2で2位となったスコット・レディングの3勝、ミカ・カリオの1勝、そしてMotoGPでバレンティーノ・ロッシが3年ぶりに挙げた1勝のみでした。

グランプリカレンダーと開催地

当初発表された19戦の暫定カレンダーは、後に改訂され、アルゼンチングランプリは2014年への延期が決定しました。代わって、2000年以来開催されていなかったポルトガルグランプリに代わり、サーキット・オブ・ジ・アメリカズでのグランプリ・オブ・ジ・アメリカズが開催されました。この変更により、アメリカ合衆国ではラグナ・セカでのアメリカグランプリ、インディアナポリスでのインディアナポリスグランプリと合わせて、3つのグランプリが開催されることになりました。

MotoGPクラス：ライダーとチームの変動

2013年シーズンは、多くのライダーの移籍やチーム変更がありました。注目すべきは、Moto2からステップアップしたライダーたちの活躍です。マルク・マルケスはレプソル・ホンダからMotoGPにデビューし、ルーキーながら圧倒的な強さを見せつけました。また、アンドレア・イアンノーネがプラマック・レーシング、ブラッドリー・スミスがモンスター・ヤマハ・テック3から参戦しました。

その他にも、青山博一のフルタイム参戦、アヴィンティア・レーシングからのヨニー・エルナンデスのポール・バード・モータースポーツ移籍、ドゥカティからヤマハ復帰を果たしたバレンティーノ・ロッシ、そしてケーシー・ストーナーの引退など、多くの話題が飛び交いました。チームの面では、カルディオンABモトレーシングがドゥカティからART-アプリリアへ変更、フォワード・レーシング、イオダレーシング・プロジェクト、ポール・バード・モータースポーツのCRTチームが2台体制へと拡大するなど、大きな変化がありました。

Moto2とMoto3クラス：若手ライダーの台頭

Moto2クラスでは、Moto3からステップアップしたサンドロ・コルテセがIntact GPチームから参戦し、高い期待を集めました。また、ランディ・クルメナッハの移籍や、ルイ・ロッシとダニー・ケントのテック3 レーシングからの参戦なども注目されました。Moto3クラスでは、マーベリック・ビニャーレスのアヴィンティア・ブルセンスからの離脱や、ダニー・ウェブ、ミゲル・オリベイラのチーム移籍などが話題となりました。

ポイントランキング

MotoGP、Moto2、Moto3の各クラスでライダーズランキングとマニュファクチャラーズランキングが争われました。MotoGPクラスでは、第14戦アラゴンGPでマルク・マルケスにペナルティが科せられ、ホンダのコンストラクターズポイントはアルバロ・バウティスタの成績に修正されました。

2013年シーズンは、スペイン人ライダーの圧倒的な活躍、若手ライダーの台頭、そして様々なチームやライダーの動きが織りなす、記憶に残るシーズンとなりました。 このシーズンは、ロードレース世界選手権の歴史に大きな足跡を残したと言えるでしょう。

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