2013年の日本競馬

2013年の日本競馬界：規定変更と記録達成が相次いだ一年

2013年（平成25年）の日本競馬界は、各種ルールの見直しや運営面の変化、そして数々の記録達成が特徴的な一年となりました。中央競馬会（JRA）と地方競馬全国協会（NAR）は、年間開催計画や重賞日程、ダートグレード競走の格付けを発表し、競馬開催の基盤を整えました。特にダートグレード競走では、JBCレディスクラシックがJpnIに昇格するなど、体系の拡充が進みました。

公正かつ国際的なルールへの対応

この年の最も大きな変化の一つは、降着・失格に関する規定の大幅な変更です。国際的な潮流である「レース中の到達順位を尊重する」観点を重視し、判断基準が明確化されました。降着は「妨害がなければ被害馬が先着できたか」、失格は「極めて悪質で重大な支障を与えたか」に限定され、騎手への制裁はより厳格化されました。ファン向けの審議表示基準も変更され、分かりやすさが図られました。この新規定は、中央競馬で1月、地方競馬で4月以降に順次導入されました。

人材育成と国際化を見据え、調教師・騎手免許試験の要領も改訂されました。外国の免許取得者への受験規定が整備され、外国人騎手がJRAの通年免許を取得しやすい環境が整いました。また、元JRA騎手が厩務員等を経て現役復帰を目指す際の試験要件も緩和され、実際に柴田未崎が復帰を果たしました。

発売チャンネルの多様化と地方競馬の動向

馬券発売においては、地方競馬の発売所を利用したJRA馬券の場外発売が拡大しました。「J-PLACE」という名称で各地の地方競馬場などで導入され、JRA初の直営ミニ場外「ライトウインズ阿見」の新設も発表されました。

地方競馬全体では、売得金総額が2年連続で増加し、全ての主催者が前年度実績を上回るなど、収益面で明るい兆しが見えました。一方で入場人員は減少傾向でした。経営難に直面していた名古屋競馬は、インターネット販売の好調により存続が決定しましたが、福山競馬場は3月をもって廃止されました。廃止に伴い多くの関係者が他地区へ移籍し、場外発売所の一部は兵庫県競馬組合に移管されました。笠松競馬場では、調教中の脱走馬事故が発生し、痛ましい結果と一時的な開催自粛を招きました。

騎手たちの輝きと歴史的な記録

2013年は、特に騎手たちが次々と歴史的な記録を打ち立てた年です。特に兄弟・双子騎手による活躍が目立ちました。双子の国分恭介・優作騎手が史上初の双子による2レース連続1・2着独占、デムーロ兄弟（クリスチャン・ミルコ）と武兄弟（武幸四郎・武豊）がそれぞれ史上初のGI兄弟1・2着独占を達成。さらに両兄弟ともに、グレード制導入後初となる2週連続GI勝利という偉業を成し遂げました。地方競馬では、山本3兄弟が同一レースに騎乗しました。

他にも、栄進堂所有馬によるJRA史上初の同一馬主4連勝・1日5勝、18頭立てで同一馬主3頭が同枠に入った珍事などがありました。地方からJRAへ移籍した戸崎圭太騎手は、移籍後38週連続勝利という記録でファンを沸かせました（後に記録ストップ）。ベテランでは、的場文男騎手が地方競馬通算6500勝を達成しました。

ターフを去った名馬も多く、GI馬トランセンド、カレンチャン、ラブミーチャンらが引退。日本競馬史に名を刻むトウカイテイオーが死亡したことは、多くのファンに衝撃を与えました。騎手では、安藤勝己が引退し、増沢由貴子騎手の引退によりJRAの女性騎手は不在となりました。

まとめ

2013年の日本競馬は、ルール改正による公平性・国際性の追求、発売体制の多様化、そして地方競馬を取り巻く厳しい状況といった課題と、兄弟・双子騎手の快挙や多くの記録達成、新たな人材の登場といった明るい話題が混在した一年でした。競馬界全体が未来に向けて変化し、ファンに多くの感動と話題を提供した、記憶に残る年となりました。

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