兵庫県競馬組合

兵庫県競馬組合：園田競馬場と姫路競馬場の歴史と現状

兵庫県競馬組合は、兵庫県、姫路市、尼崎市の1県2市によって構成される一部事務組合です。園田競馬場と姫路競馬場の2ヶ所の地方競馬を主催し、長きに渡り競馬開催を続けてきました。その歴史は、1929年に淡路島で開設された淡路競馬場に遡ります。その後、園田に移転し、1930年から開催を開始。全国有数の売り上げを誇る競馬場として発展を遂げました。しかし、第二次世界大戦中の軍馬資源保護法や戦後の進駐軍による接収など、幾多の困難を乗り越えてきました。

アングロアラブからサラブレッドへの転換

当初はサラブレッド競走も行われていましたが、アングロアラブ競走馬の専門場として発展し、「アラブのメッカ」と呼ばれるほどの高いレベルを誇りました。しかし、アングロアラブの生産頭数の減少を受け、JRAとの交流促進を目的として1999年にサラブレッドを導入。JRAとの交流競走やダートグレード競走を積極的に実施するようになりました。これに伴い、アラブ系競走は徐々に廃止され、2006年にはアングロアラブ競走馬が完全に姿を消しました。現在では、すべての競走がサラブレッドで行われています。

姫路競馬場の現状

長らく園田競馬場をメインとしてきましたが、2000年代に入り、開催は園田に集中。姫路競馬場は年1ヶ月程度の開催となっていました。2012年のナイター照明塔設置後は、全ての開催が園田競馬場で行われ、姫路競馬場は事実上休止状態となりました。しかし、2020年1月、8年ぶりに姫路競馬場での開催が再開。現在は冬季を中心に開催されています。

数々の不祥事と改革

兵庫県競馬の歴史には、幾多の不祥事が影を落としました。1960年代後半から1970年代にかけては、大規模な薬物不正投与事件や八百長事件が発生し、開催休止に追い込まれたこともありました。1974年には、ファンによる暴動「園田焼き討ち事件」も発生。これらの事件は、競馬界に大きな衝撃を与え、関係者の信頼回復に向けた努力が求められました。その後も、禁止薬物検出や採尿不正などの事件が断続的に発生。組合は、不祥事への対応に追われながら、競馬の公正性確保に努めてきました。

経営の好転と新たな展開

2000年代前半は、入場者数や売り上げの減少に悩まされましたが、JBC競走の開催やインターネット投票の普及、積極的なファンの獲得策により、2010年代前半を境に経営は好転。賞金も増額され、園田金盃は1着賞金3000万円に増加。また、2021年には、新人騎手佐々木世麗騎手が兵庫県競馬における新人最多勝記録を樹立するなど、明るい話題も増えてきました。さらに、2023年には、イグナイターがJBCスプリントで優勝し、兵庫県所属馬として初のGI級競走優勝を果たす快挙を達成しました。

競走体系と重賞競走

兵庫県競馬では、数多くの重賞競走が開催されています。ダートグレード競走としては、兵庫チャンピオンシップ、兵庫ジュニアグランプリ、兵庫ゴールドトロフィーなどが有名です。また、2000年にサラブレッドによる兵庫三冠競走が設立されました。三冠競走は、菊水賞、兵庫優駿、園田オータムトロフィーの3競走で構成されています。他にも、多くの地方競馬との交流競走や、2歳馬、3歳馬を対象とした競走なども開催されています。

馬券発売と場外発売所

園田競馬場、姫路競馬場では、単勝式、複勝式、連勝式、三連勝式など様々な種類の馬券が発売されています。また、場外発売所としてウインズ神戸、ウインズ難波、DASHよかわ、DASH和歌山など、多くの場外発売所が設置されています。インターネット投票や電話投票も利用可能です。

放送と情報発信

兵庫県競馬は、長年サンテレビなどでレース中継やダイジェスト番組を放送してきました。現在は、スカパー！の地方競馬ナインや公式YouTubeチャンネルで中継が配信されており、インターネット上でもライブ配信が行われています。

まとめ

兵庫県競馬組合は、歴史と伝統を継承しながら、現代の競馬界に適応した経営努力を続けることで、その地位を確立してきました。今後ますます発展していくことが期待されます。

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