2015年9月ギリシャ議会総選挙

2015年9月 ギリシャ議会総選挙：政局の転換点

2015年9月20日、ギリシャでは議会（一院制）の議員を全面改選する総選挙が実施されました。この選挙は、同年1月に行われた総選挙の結果、成立した急進左派連合（SYRIZA）政権下で発生した政局の混乱を背景に行われました。

選挙の経緯：緊縮財政と政権の苦悩

2015年1月の総選挙でSYRIZAは、EU（ヨーロッパ連合）やIMF（国際通貨基金）が求める緊縮財政に反対を唱え、第一党となりました。党首であるアレクシス・ツィプラスが首相に就任し、債務削減に向けたEUとの交渉に臨みましたが、交渉は難航しました。

最終的に、ツィプラス政権はEU側が求める金融支援のための改革案を受け入れざるを得ませんでした。この決定は、SYRIZA内部に深刻な亀裂を生じさせました。一部議員は、金融支援を受け入れるための財政改革法案の議会採決で反対に回り、党は事実上分裂状態に陥りました。

事態を打開するため、ツィプラス首相は8月20日にプロコピス・パヴロプロス大統領に辞表を提出し、早期の総選挙実施を求めました。パヴロプロス大統領はこれを受け、8月28日に議会を解散し、9月20日に総選挙を行う大統領令に署名しました。

選挙の基礎データ

選挙事由: 議会解散
投票日: 2015年9月20日
選挙権: 18歳以上のギリシャ国民
総定数: 300議席
選挙制度: 非拘束名簿式比例代表制（一部は拘束名簿式）。得票率第1党へのプレミア議席配分あり。
選挙区: 県単位選挙区（大選挙区と小選挙区）と全国単位選挙区（大選挙区）
投票方法: 政党名簿に投票するが、優先投票も可能（選挙区によって1 - 5名と幅あり）。
阻止条項: 有効得票の3%以上

選挙制度の特徴

ギリシャの選挙制度は、比例代表制を基本としつつ、第1党に議席が配分される制度が導入されている点が特徴です。これにより、政権の安定化を図る意図があります。また、有権者は政党名簿に投票するだけでなく、候補者個人への優先投票も可能であり、より民意を反映しやすい仕組みとなっています。

この選挙は、ギリシャの政局に大きな影響を与え、その後の政治状況を大きく左右する転換点となりました。

もう一度検索