プロコピス・パヴロプロス

プロコピス・パヴロプロス：ギリシャの法学者、政治家、そして大統領

プロコピス・パヴロプロス（Prokopis Pavlopoulos、1950年7月10日 - ）は、ギリシャの弁護士、法学者、そして政治家です。彼は2015年から2020年まで、ギリシャ第三共和政の第8代大統領を務めました。また、2004年から2009年までは内務大臣として国政に携わりました。

法学者としての経歴

1950年、パヴロプロスはギリシャのカラマタ市で生まれました。彼の父親は大学教授であり、学術的な環境で育ちました。アテネ大学法学部を卒業後、フランスのパリ第二大学（パンテオン・アサス）に留学し、法学の博士号を取得しました。帰国後の1980年にはアテネ大学の講師となり、助教授、そして1989年には教授へと昇進しました。法学者として、彼は法律分野で深い知識と経験を培いました。

政治家としての経歴

パヴロプロスの政治 करियरは、1974年にミハイル・スタシノプロス大統領の秘書として始まった。その後、1989年11月から1990年4月までクセノフォン・ゾロタス内閣で政府報道官を務めました。1990年から1995年までは、コンスタンディノス・カラマンリス大統領の法律顧問として、大統領を法律面からサポートしました。

1996年、パヴロプロスは新民主主義党 (ND) の議員としてギリシャ議会総選挙で初当選を果たし、その後2014年まで国会議員を務めました。2004年から2009年までは、コスタス・カラマンリス首相の下で内務大臣として、国内の治安維持や行政改革などの重要な政策課題に取り組みました。

大統領としての経歴

2015年2月17日、急進左派連合 (SYRIZA) のアレクシス・ツィプラス首相は、NDのパヴロプロスを次期大統領に推薦しました。これは、多くの人々にとって予想外の展開でした。2月18日、ギリシャ議会において、300人の議員のうち233人の賛成を得て、パヴロプロスは大統領に選出され、3月13日に就任しました。

パヴロプロスの大統領選出は、前大統領の任期満了に伴うものでした。当初、与党であるNDは後継者候補を擁立していましたが、議会での承認を得られず、結果として議会は解散されました。その後の総選挙でSYRIZAが政権を握り、パヴロプロスが大統領候補として浮上したのです。

大統領として、パヴロプロスはギリシャの国益を代表し、国内外で様々な活動を行いました。2015年には、第二次世界大戦中のドイツからの賠償請求を求める姿勢を明確にしました。ギリシャは、約2787億ユーロの賠償金を試算しましたが、ドイツ側は法的、政治的に解決済みであるとして、この請求に応じませんでした。

人物像

パヴロプロスは、ヴラシア・パヴロプル＝ペルツェミ夫人との間に、二人の娘と一人の息子をもうけています。彼の姓である「パヴロプロス」は、ギリシャ語で「パウロの息子」という意味を持ちます。パヴロプロスは、母語であるギリシャ語に加えて、英語とフランス語にも堪能であり、国際的な舞台でも活躍しました。

プロコピス・パヴロプロスは、法学者、政治家、そして大統領として、ギリシャ社会に大きな貢献を果たした人物として記憶されています。

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